素粒子の世界:宇宙・200億年の旅ー1

物質の最小単位は何か?

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生命の遺伝情報、DNAも細かく見てゆくとやがて炭素原子に行き当たる。

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炭素原子の中は野球場のドームみたいに、ほとんどカラッポの状態で外壁の部分はキラキラと輝きながら回り続ける電子でできている。内部には別の電子もある。中心にどっしりと腰を据えている原子核である。

 

最小単位を考え続ける科学者たち

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プラトン(紀元前427-347)「万物は小さな粒子からなるという、デモクリトス君の説をどう思う?」

アリストテレス(紀元前384-322)「デモクリトスは原子とかいう小さな粒子の事では正しい。ところがその粒子の動きを司る、力の本質については一向に説明できないでいる」

 

ニュートン(1642-1727)「宇宙は完ぺきな機械であり、月や惑星が軌道から外れないように引っ張っているのは重力です。物体は慣性の法則に従いいったん動き出すと、他から力を加えられない限り動き続けるのです」

 

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ダルトン(1766-1844)「ところで私が提唱した原子は何でできているんだろうね?」

ラザフォード(1871-1937)「原子には原子核があり、原子核には+の電気を帯びた陽子がある」

 

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チャドウィック(1891-1974)「私には原子核には、電気的に中性の中性子が含まれているように思われる」

 

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マクスウェル(1831-1879)「私の統一理論を述べさせていただくなら、電気の力と磁気の力は盾の両面であり本来同じ力である。私はこれを電磁力と呼ぶ。光も同じ力で説明できる」

アインシュタイン(1879-1955)「その通り。電磁波の波長が違えば、ある時は光となり、またある時は電波となる。そして、この電磁波は粒子でもあり、私はこれを光子と名付けた。それからもう一つ、重力のことも忘れんでくれ」

 

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フェルミ(1901-1954)「博士、第三の力として原子核の内部で働く

『弱い力』のことも・・・」

湯川秀樹(1907-1981)「実際は力は四つです。『強い力』が原子核をバラバラにしないように結びつけています」

 

「すると陽子、中性子、電子という三つの素粒子があるのか?」

「いやいや、陽電子がある」

「ニュートリノもあるぞ」

「中間子を忘れるな」

「反陽子、反陽子!」

 

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ゲル=マン(1929-1969)「ちょっと待ってくださいよ。もっと基本的な粒子があると思うよ。陽子も中性子も中間子も、そんな粒子でできてるはずだ。僕はそれをクォークと名付けた」

 

つくば科学博(1985年)協賛番組、宇宙・200億年の旅より

究極の物質と究極のエネルギー:宇宙・200億年の旅ー2

■素粒子を捕まえる

素粒子はあまりに小さいので電子顕微鏡でも見えない。素粒子の性質を調べるには加速器を用い、二つの粒子を超高速で正面衝突させる。その時、飛び散った『破片』を調べることにより素粒子の性質がわかる。

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左:初期の加速器、右:フェルミ研究所(直径5km)

 

物理学者による、わかりにくい野球解説

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「ここドジャースタジアムは超満員、熱気が立ち込めています」

「『弱い力』のおかげで太陽が原子核のエネルギーをどんどん放出しています

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「ピッチャー振りかぶって、第一球投げました。打った!」

ああ、地球の重力がぐんぐんボールを引っ張っています!」

「あっと、残念。レフトへのイージーフライに終わりました」

なにしろグローブの電磁場が、地球の電磁場より勝っていたので・・・

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「あっ、はいはい、ちょっと待ってくださいよ!レジー・ジャクソンの登場です。あっ、打ちましたっ!これは大きい、入ったでしょう、ホームランです」

レジーはですね、ボールのクォークをバチンと叩いたんですがね、『強い力』がクォークを原子核内にしっかりと結びつけていてですね・・・

「はいはい、ボールが地球の重力に捕えられたんでしょ?」

いやいや、そうじゃなくて・・・

四つの力:宇宙・200億年の旅ー3

電磁力、弱い力、強い力、重力

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ボールもバットも「原子の目」から見れば内部はほとんどカラである。ただ、一つ一つの原子は電磁力によって網の目の様に互いに結合している。したがってボールやバットが硬いのも、この力の場が生んだ見せかけの硬さに他ならない。また、ボールが弾き飛ばされる現象も電磁力で説明できる。ボールとバット、それぞれの原子に含まれる電子と電子の間に無数の光子が行き来し、両方の作用を仲介する。電子はマイナスの電気を帯びているから、相手の力が伝われば激しく反発し、その結果ボールを弾き飛ばす。

 

弱い力は太陽や星のエネルギーを生み出すうえで重要な力であり、同時に放射能を出し、原子核が崩壊する時の主役である。あるものは不安定であり崩壊して安定した核に変わろうとする。その崩壊の引き金になるのが弱い力である

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強い力は原子核内部の陽子や中性子をしっかりと結びつけている力である。これがなかったら原子もこの世になく、宇宙はクォークの霧が漂っていたことであろう。強い力はグルーオンという粒子が仲介する。クォーク同志を伸び縮みするゴムひもで結びつけたようなものである。最後は重力、質量のあるものになら、なんにでも働く力である。四つの力の中で一番弱い。しかも引きつけるだけ、反発しようとはしない。どこまでも伝わって星や銀河を結びつけているのも、この力である。

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「アインシュタインの重力子や光子の理論は、私たちの重力や電磁力の理解を深めてくれました。当時はこの二つの力しか知られていませんでしたが、後に弱い力と強い力が発見されて、その理論をつくる時には、やはりアインシュタインの理論が役立ちました」

 

統一理論への道

しかし、アインシュタインはこれらの業績に満足していませんでした。なぜ自然界にある四つの力は別々に存在するのか?なぜ宇宙は今のような状態になったのか?

神様はこの宇宙を御造りになるにあたって、本当にあれこれ、やり方を変えてみようと思ったのだろうか?」-アルバート・アインシュタイン

 

アインシュタインのアイデアは「超重力理論」「超対称性理論」「スーパーストリング理論」などに受け継がれているが、現在は継ぎはぎだらけの状態である。

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統一理論への道:宇宙・200億年の旅ー4

統一理論は存在するか?

一つ一つの力の理論は非常にうまくいきます。実際に宇宙のほとんどの現象はそれで説明できます。しかし何故、四つの力はこうも違うのか電磁力と重力は無限の彼方まで届くのに、弱い力と強い力が原子核の中に留まっているのはなぜか?というように力を一緒に考えようとすると、もうお手上げです

 

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「万物創造の主が宇宙をこれから造ろうって時に、『あーでもない、こーでもない』っていじりまわすと思いますか?私にはピンと来ませんね。ま、そこで私たちが描いた構図が美しいなんて、ひょっとしたら間違いじゃないかとは思いながらも、ずっと美だの簡潔さだの対称性だのと言い続けてきたのでね、この考え方からは逃れられないでしょうね」- レオン・レーダーマン(フェルミ研究所所長、当時)

 

「本当に美しい根本理論があるかと言えば、誰にも分かりはしない。人類がそいつを学ぶ事が出来るだけ賢いかってことも分からない。ただね、美しい根本理論があるなら、俺たちはそれを理解できるほど賢いんだと思わなくちゃ、何にも出来はしないんだ」- スティーヴン・ワインバーグ、1979年度ノーベル物理学賞

 

「心の底ではですな、あ、いや方程式とかではなくて、そう、んー、複雑な方程式ではなくて、本来は非常に単純なアイデアというべきものが、きっとあるに違いないと思ってますよ。だから、何れ、それが発見された時には、美しくて感動的なあまり『他にどんなものがあるっていうんだ!』なんて、お互いに大声をあげたりするんじゃないかなあ」- ジョン・A・ホイーラー、テキサス大学教授、当時)

対称性の破れ:宇宙・200億年の旅ー5

電弱理論

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もともと四つの力を運ぶ粒子というのは「小さなエネルギー」の塊である。もしエネルギーが充分にあれば「重い粒子」をつくるか「速度の速い粒子」が生まれ、長く生き延びる事が出来る。ところで電磁力を運ぶ光子には質量が全くない。ということは小さなエネルギーでも作れるという事である。光子は驚くほど長い距離を飛ぶことが出来るので星の光を運んで宇宙を飛んでいる。弱い力を運ぶウィーク・ボゾンという粒子は比較的重い。だからそれを作るのに大量のエネルギーを必要とし、すぐに消えてしまう。光子は質量がゼロであるのに対しウィーク・ボゾンは重い。これが電磁力と弱い力のはっきりとした違いである。光子ははるか遠くまで飛んでゆくが、ウィーク・ボゾンはめったに原子核から出てゆくことはない。しかし、統一理論の立場から見ると、十分に高温の状態であれば二つの力は一つになる

 

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「電弱理論は、電磁力と弱い力は一つなんだ、同じなんだと考えるところからスタートする。とりあえずウィーク・ボゾンという粒子があってその中のW粒子とZ粒子が入れ替わることで力が伝わると思ってほしい。こいつらすごく重いんで行動半径も狭い。この粒子たちは一種の家族というのかな、それも4人のメンバーが強い絆で結ばれた家族を構成しているんだよ。W+とその反対の電荷を持ったW-、それに電気的に中性、四人目はほら、あの光子さ、電磁力を伝える。四人は仲のいい兄弟で対称性理論からいえば全く同じなんだけど、現在は対称性が破れているんでね、対称性は電弱理論の方程式にはないんだ、素粒子の中にもない、だからW粒子やZ粒子が光子よりも重いっていう区別が出てくるんだよ。こんな場合四つの粒子は、それぞれ別の性質を持つから、話が厄介になるのさ。ところで、きわめて初期の宇宙では温度が想像を絶するほど高く、対称性は破れていなかったと考えられる。当然そんなところでは四つの粒子に区別はなかったし、従ってこの粒子が媒介する力も、計算上同じだと言うだけではなく実際にも一つだったと、まあ、こんな風に考えたのさビックバンの頃に物理学者がいたとしたら、まあ、そんなことは無いんだけどさ、四つの粒子を別々に取り出すなんて、とても出来なかったろうね」ー

スティーヴン・ワインバーグ、1979年度ノーベル物理学賞

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