分散多様化の恩恵: JAPAN繁栄への回帰-5

「JAPAN繁栄への回帰」JAPAN THE RETURN TO PROSPERITY

ラビ・バトラ著、青柳孝直+山田智彦訳、総合法令、1996年より

 

産業分野の分散多様化

経済は第一次(農業・林業・漁業・鉱業)・第二次(建設業・製造業)・第三次(公共事業・交通機関・報道機関を含む、その他のサービス業)の三つの産業分野に分散多様化することが望ましい。

 

理想的には、労働者人口全体の40%が第二次産業に、10%が第一次産業、残りの50%がサービス業に就く。そして最低限度として、建設業と製造業の労働人口が全体の3分の1を下回らないことが、分散多様化のためには必要である。

 

リスクを分散する

とはいえ、日本や韓国、ドイツのような国では原材料が不足している。またサウジアラビア・クウェート・UAEなどの国では肥沃な土地がほとんどない。こうした国は第一次産業分野の需要を充分に満たすことが出来ない。このような場合、輸出とそれに関する業務が第一次産業の必要量に見合うことで、分散多様化されていると見なすことが出来る

 

逆に、ひとつの分野に特化し外国との貿易に依存する国の場合、経済は不均衡の状態にある。こうした国はほとんどの玉子を一つのカゴに入れ、外からの衝撃に弱い状態にあり、不況や恐慌に陥りやすい状態である。つまり労働生産性が向上したにもかかわらず、実質賃金は一定もしくは低下しかねないということである

 

1970年まで、ほとんどの国の経済は分散多様化されていた。しかし、その後カナダとオーストラリアは鉱業と農業、アメリカは農業とサービス業、そして日本は製造業に特化していった。製造業に特化した日本は他の先進国よりも急速に成長することになる。そして、1973年以降、アメリカとオーストラリアの実質賃金は低下し、日本は税引前の実質賃金はわずかに上昇し、税引後は低下したのである

 

この議論の教訓は、たとえ国が付加価値の高い製品を重要視しても、特定の産業に特化が起きると、労働者は損をするということである

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