国内競争と国際競争: JAPAN繁栄への回帰-7

「JAPAN繁栄への回帰」JAPAN THE RETURN TO PROSPERITY

ラビ・バトラ著、青柳孝直+山田智彦訳、総合法令、1996年より

 

製造業の縮小の弊害

アメリカが世界経済の指導力を失った理由の一つに、製造業の極端な縮小があげられる。現在(1996年当時)アメリカの製造業の平均賃金はサービス業の二倍となっている。外国製品との競争激化によって、製造業から多くの雇用需要が奪われた。そして*サービス製品の輸出の増大は、サービス業に多くの雇用機会をもたらした。しかしその両者を差引した結果、極端に景気を鈍らせてしまった。つまり、高賃金の仕事が低賃金のそれに置き換えられてしまったのである

 

製造業がその国から別な国へと移動したとき、産業の空洞化現象が起こる。今の日本(1996年当時)にも、それが起きている。現在多くの企業が海外で生産しており、もしこの状況が続くなら待っているものはアメリカがたどったのと同じ道である。

 

*サービス貿易- 輸送・旅行・通信・建設・金融・保険・特許権使用料など、モノの動きではなく、サービスの提供によるカネの支払いまたは受け取りのこと。日本の旅行者が海外でホテル代を支払えばサービスの輸入、外国人旅行者が日本でホテル代を支払えばサービスの輸出となる。貿易統計ではなく国際収支統計で把握される。(ウィキペディア

 

国内での競争を奨励する

経済が成長するためには「競争」が必要である。しかし、価格競争のような国際的競争は、安い輸入品の影響から国内産業を破壊する可能性がある。国内産業における競争はそのようにはならない

 

テレビ製造業を例にとってみよう。アメリカのテレビ製造業は絶滅したが、日本はまさにその途上にある。アメリカ市場には賃金の安い国で生産された低価格のテレビがどんどん輸入され、幾つかの企業は破産に追い込まれた。テレビの生産に携わった労働者はその業種自体が縮小する状況下で、他のテレビ製造業に職を見つけることは出来ない。結局それらの労働者は、賃金の低いほかのサービス業に職を見つけるしかなかった。

 

しかし、国内でテレビの生産が行われ、国内での競争が激化した場合は、国際的な競争が激化した時と同様に営業基盤を失う会社はあっても、失業者は別の企業で同じ職種の職を得ることが出来る。結局その業界は破滅しないことになる

 

つまり、国際的な競争により安い工業製品が入ってきた場合、雇用機会は国内には作られず、海外に生まれることになる。しかし、国内での競争はその国内に雇用機会を作りその国の経済に貢献する

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