「陰気な学問」と進化論: ダーウィン社会学(7)

陰気な学問

世の中には飢え死にするものがあふれ、労働者は仕事を求めて村を捨て、町に押し寄せていた。貧困者は日に日に増える一方であった。」➡トーマス・マルサス『人口論』(1798年)

マルサスは、

食糧生産の増加は算術級数的だが、人口の増加は幾何級数的なので人口の増加に対し、食料の供給は常に不足する

飢えや貧困、悪や犯罪、疫病や飢饉、革命や戦争といった過酷な生存競争により、弱者は滅び、人工調整が行われる

と考えた。

 

➡マルサスは、食料供給が人口増加に追いつかないのは、神が与えた自然の摂理だと考えた。つまり、自然を効率の良い篩(ふるい)のようなものと見ていたのである。この篩によって、「生産力のある勤勉で強いものが残り、脆弱で怠惰で不精なものは淘汰される。」

➡当時のブルジョア階級は、この適者生存を旗印に、盛んに経済活動を続けた。彼等は、「市場も社会も放置しておけば勤勉なものは栄え、そうでないものは自然に脱落するように出来ている。」と、楽観的に考えていた。

➡ブルジョア階級は、政府の政治的介入には大反対し、自由放任主義経済のバックボーンとなる理論を求めていたが、この信念に答えたのがマルサスの『人口論』である。

 

経済学は、別名『陰気な学問』というありがたくない名前呼ばれているが、この原因を作った張本人もマルサスであった。(中略)神は人間を鍛えるために、果てしない需要と限られた食料を与えた、というのである。(中略)空腹を避けるために、人間は能力を精一杯使って進歩してきたのだと、彼は考えたのである。」

ージェレミー・リフキン著、竹内 均訳、エントロピーの法則Ⅱ「21世紀の生存原理・遺伝子工学時代の世界観」祥伝社より

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日本国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の2割にあたる約1,800万トン。このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど、本来食べられたはずの、いわゆる「食品ロス」は500万トン~800万トンとされています。これは、我が国におけるコメの年間収穫量(平成24年約850万トン)に匹敵し、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食料援助量(平成23年で年間約390万トン)を大きく上回る量です。また、日本人1人当たりに換算すると、"おにぎり約1~2個分"が毎日捨てられている計算となります。

日本の食料自給率は現在39%(平成23年度)で、大半を輸入に頼っていますが、その一方で、食べられる食料を大量に捨てているという現実があるのです。もったいないと思いませんか。」

➡政府広報オンラインーもったいない!食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らそう

 

悲観主義的な見方は以前からあり、トーマス・マルサスが最初に唱えた。彼は人口増加から大きな悲劇が今にも起こると予見し、同時代の人々に警告を発したのであった。(中略)その後の科学の発展は、結果的に彼の予見が間違っていたことを証明することになった。人口はもちろん彼の予測通りに増加していったのだが、食料の供給も同じ速度で増加していったのである。」➡JAPAN繁栄への回帰、ラビ・バトラ著、総合法令

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