ブライアン・パーマーの生活(1)

ロバート・N・ベラー、R・マドセン、S・M・ティプトン、W・M・サリヴァン、A・スウィドラー 共著 「心の習慣」アメリカ個人主義のゆくえ(みすず書房)より

 

中産階級は、とりわけアメリカ社会では中心的な位置を占めてきた。初めからアメリカは「中等身分(ミドリング・コンディション)」が主たる重要性をになっている社会であった。そして、過去100年ほどを通じて、中産階級が私たちの文化を支配し続けてきており、そのため真の上層階級も、真の労働者階級も完全には出現したことがないほどである

 

人生は挑戦である

ブライアン・パーマーは、サノゼ市郊外の快適な住宅地に住み、大企業のトップレベルの部長として働く、成功したビジネスマンである。現在41歳、背の高い、活力あふれる引き締まった体格。若いころは無数の馬鹿騒ぎ、頻繁なセックス、金稼ぎのための相当な努力の毎日を送っていたという。24歳で結婚。その後の数年間は、妻と子どもに対する大人としての責任を引き受けることが生活の指針となり、ブライアンは昇級して家族への責任を果たすことに熱心に励んだ。そのために「若い遊びの日々」と訣別することに不満はなかった。

 

そうするしかなかったのです。私は金がなければやってゆけないたちでしたし、妻は家計を助けることは出来ませんでした。では働くしかないだろう。そんな具合です。私の価値体系では独立独行(セルフ・リライアンス)ということがかなり重要なものとなっています。だから働くのはほとんど生理的なことでした。なぜ働くかは考えませんでした。ただ行って働いただけです」。

 

ブライアンと妻との生活は、彼の考えでは、満足できる性生活、子ども、出世の尊重を除いては、ほとんど共有するところのないものとなった。夫婦生活・家族生活の犠牲のもとに、彼は成功した。

 

家族との関係はどうあるのが望ましいと思っていたか?妻と子供に対し、物質的に世話をする、ものを提供するのが私の義務であり、私としては、彼女たちがそんな生活になじんでくれたら嬉しいと思っていました。重要なのは家族にたいして物質的供給の責任を果たすことであって、生活を分かち合うことは重要ではなかったのです。私はめいっぱい働きました。一番の猛烈社員でしたね。私はこう言っていました。おかげでよい車も買えたし、良い家も手に入れた、カントリー・クラブにだって入れた。お前はどうぞ出かけていって、デンと座って何か飲んで、プールに入っていればいいだろう。代金は俺が払う。俺は仕事に打ち込んでいるからなってね」。

 

ある日家に帰ってみるとー 私の家は前から売りに出されていて、買いたいという人も現れていました ー妻がこう言ったんです。『手を打つ前に覚悟しておいてちょうだい。この家を手放したら、私はあなたと別の家で暮らしますから』。彼女が離婚を考えているっていう、これが公式通告だったのです」。

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