私たちの文化の病

たとえば人生のすべてを、高いところも低いところも知ること、権力を持つこと、賞賛されること、自分は特別だと感じること。権力をもつことへの誘惑にはなかなか抵抗しがたい。とりわけ、子どものとき自分が愛するひとびとに傷つけられたり、裏切られたりしたことのある人には。権力と引き換えに天国を売り渡すことは、悪魔の取引である。そしてそれこそナルシシストの取引なのである

➡ A・ローウェン「ナルシシズムという病い」文化・心理の病理

(新曜社)第九章 われわれの時代の狂気 より

 

個人のナルシシズム(自己-selfと自我-egoの分裂・対立の構図)

ナルシシズムとは自己を犠牲にしてなされる、自分のイメージへの過剰なのめりこみを特徴とするパーソナリティ障害である。ナルシシストたちは、

自分がどう感じるかということよりも、自分がどう見えるかということに関心を持つ。じっさい彼らは、

自分が追い求めるイメージと、矛盾するような感情を否定していく。彼らは感情無しに行動しながら、

人を誘惑し、操縦し、権力や支配力を得ようとして闘っている

彼らは自己中心的な人間で、自分の利害に関心を集中しながらも、真の意味での自己の価値(自己表現自己抑制品位の感情誠実さ)が欠けている。ナルシシストには、身体感情からくる自己感覚が欠けている

がっちりとした自己感覚が欠けているために、彼らは人生を空虚で無意味なものとして経験する。それは荒涼とした状態である

 

文化のナルシシズム

文化のレベルにおいて、ナルシシズムは人間価値の喪失のうちに、つまり

環境への関心生活の質に対する関心同胞への関心の喪失のうちに見出すことができる。利潤や権力のために自然環境を犠牲にする社会は、人間の欲求に対する鈍感さを示すものである

物質的なものがどれほど増大したかということが、生活がどれほど進歩したかということの尺度となり、男は女と、労働者は雇用者と、個人は共同体と闘わざるを得なくなる

 

知恵よりも富が高い地位を占め、人間としての品位よりも名声が賞賛され、自分に敬意を払うことよりも成功することのほうが重要だとされるときには、文化そのものが「イメージ」を過大評価しているのであり、それはナルシスティックだとみなされなければならない

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