オポチュニズム 「形勢を見て都合の良い側に味方しようとする態度」

幕府を倒したのは攘夷というエネルギーでした。外国を打ち払え・・・、攘夷というのは要するに、鎖国を続けるということです。鎖国は日本の神代以来の国是だと思ってるんです、全部の人が。相当なインテリでもそう思っていたんです。

 

もっともね、東京に政府ができまして、長州の大物の一人で井上馨という、ちょっといかがわしいところのある、ややユーモラスな人物のところへ同郷の人がやってきて、「井上さん、ちょっとうかがいますけど、攘夷はどうなりましたか?」といったら、「あ、あれは、あの時だけだったんだ!文句を言うな!」と・・・、つまりこれが革命の秘密ですね、攘夷のエネルギーを利用して薩長が天下を取るわけですが、とった途端に明治政府は開国をするわけです。するんですけど『青写真』がない。これでは、どうしようもないんです。

➡ 司馬遼太郎「太郎の国の物語、青写真なしの新国家」

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「自由からの逃走」エーリッヒ・フロム著・日高六郎訳、東京創元社

より

 

第一次大戦後、独占資本主義によって脅かされた中産階級、特に下層中産階級は不安と憎悪で恐慌状態に陥り、無力な人間を支配したいという渇望にまみれた。これらの感情は、まったく異なった階級によって、その階級自身の利益のために動く政治に利用された

 

ヒットラーがそのような思惑の有効な道具になったのは、ヒットラー自身が下層中産階級が持つ、憤りと憎悪に満ちたプチブルの特徴と、ドイツの財界人とユンカーの利益にいつでも奉仕しようとするオポチュニストの特徴を、感情的にも社会的にも兼ね備えていたからである。

 

彼は当初、旧中産階級の救世主であると見せかけて、百貨店の破壊、銀行資本支配の打破などを公約としたが、これらの約束は決して果たされなかった。ナチズムは純粋な政治的目的や経済的な原理は何も持っていなかったのである。

 

ナチズムの原理と言えば、まさにその極端なご都合主義であるということを理解することが重要である。普通では金や権力を獲得する機会のほとんどない何十万というプチブルに、ナチ官僚機構のメンバーとして、上層階級から強制的に富と権威の大部分を分け与えたということが問題であった。

 

ナチ機構のメンバーでないものには、ユダヤ人や政敵から取り上げた仕事が与えられた。そしてさらに残りのものは、彼等より多くのパンは獲得しなかったが「見世物」を与えられた。これらのサディズム的光景と、彼らに対し優越感を与えるイデオロギーのもたらす感情的満足によって、彼らの生活が経済的にも文化的にも貧困になったという事実を補うことができた。少なくともしばらくの間は

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