過剰適応の問題

外向型にとっての「正常」な状態とは、既成の状態に対し軋轢無く順応し、客観的に存在している可能性を成し遂げる以外には何の要求も持たない状態のことである。すなわち、たとえば現在この場で見込みのありそうな職業に転職するとか、周囲の人々が、今必要としていたり彼に期待していることを実行したり、そうしたものを創りあげるとか、見通しが立たないとか、あるいはどうかすると予想をはるかに上回ってしまうような変革は一切やらない

 

外向型の「正常」な状態は同時に、自分には主観的な欲求や必然性もあるのだという事実を勘定に入れなくなるという弱みを持っている。このタイプは外の方を向きすぎる傾向を持っているので、主観的な意識の中でも最も身近な「身体の健康」ですら、ともすると「客観的でない」「外的でない」として十分考慮されず、その結果、健康状態にとって欠くことのできない基本的な欲求がおろそかになり、心ならずも病気になる。ところが外向型の人の多くは最終的なこの状態にほとんど気づかないので、周囲の人や家族が先に気づく場合が多い。

 

このように外向的な構えが行きすぎると、主体に対する配慮がおろそかになり、主体が客体の犠牲になることが起こり得る。たとえばともかく注文があるのだからとか、目の前にある可能性は実行しなければならない理由から、商売をどんどん拡張し、主体が犠牲にされてしまうのである。

 

外向型の人のもっている危険は、客体の中に引き込まれてしまい、その中でまったく自分自身を見失ってしまうことである。この結果生ずる神経的な障害ないし身体的障害は補償的な意味を持っている。なぜなら、客体に引きずられて障害が発生した時、主体はいやでも自重せざるを得ないからである。→<否が応でも休まなければならない>

 

症状が身体に現れる場合は心理状態を独特な方法で象徴的に表す場合がある。たとえばある歌手の名声が急速に高まったため、自分では応じきれないエネルギー支出を迫られる危機に瀕し、突然高い声が出なくなったりする。貧しい境遇から出発して、社会的影響力のある地位に就いた男性の場合、心因によって高山病のあらゆる症状(頭痛、吐き気、嘔吐、睡眠障害、運動障害、消化機能の低下など)を呈することがある。

 

ユングによれば、外向型にもっとも見られる神経症は身体表現性障害である。典型的ヒステリーの特徴は、常に周りの人との過剰な関係であり、周囲の状況に猿真似ともいえるほどに迎合しようとするのも、特有の症状である。ヒステリーの特徴の一つは、つねに他人の関心を集めよう、周囲に感銘を与えようとする傾向であり、これと対になるのは暗示を受けやすいことと、他人によって影響されやすいことである。外向型の特徴はヒステリー患者の話好きとしても表れており、これは時としてまったくの作り事を話すまでになる。

 

ヒステリー性格は初めは正常な構えが誇張され、さらに無意識の側の補償的な反作用により、複雑になる。無意識の反作用によって生じる症状は外向的とは逆に、むしろ内向的な性格を持っている。このうちで特によく見られるのは病的に高まった空想(妄想)である。

コメントの投稿

非公開コメント

(=゚ω゚)ノ
blogramのブログランキング
音楽を別ブログにまとめました
♬ (^^♪
過去記事
カテゴリ
はてなブックマーク
このエントリーをはてなブックマークに追加
( `ー´)ノ
おきてがみ
(=゚ω゚)ノ
ブログ村投票
プロフィール

スエスオ

Author:スエスオ
オリジナルのエッセイ・ブログを目指して鋭意更新中

ブログランキング.net