Hurricane:Bob Dylan(Desire Outtake 1975)

以前は、「何、人種差別、それは問題だ、それでいこう」そういう具合だった。歌にできるような問題は何千とあるから、一つを選んで、怒りの感情を爆発させるんだ。➡ ボブ・ディラン

 

 

酒場で銃声が聞こえた
パティ・バレンタインが階下に降りると
血まみれのバーテンダーが倒れていた
彼女は叫んだ「人殺し!なんて酷いことを」。
これがルービン・ハリケーン・カーターの物語
権力者が無実の男に罪を着せ牢に送った
世界チャンピオンになるはずだった男を

 

パティは三人の遺体を見た
ベローもそこにいたが奴は
金を盗もうとしただけだ、分かってるだろ?」
そして「警察を呼びに行こう」と言った
パトカーが赤いライトを点滅させて来た
ニュージャージーの熱帯夜

 

一方 世界ミドル級第一位挑戦者
ルービン・カーターは
遠く離れた場所でドライブしていた
事件のことは知らなかったが
警官は彼を職務質問した
前にも同じようなことがあったんだ
これがパターソン警察のやり方だ
もしあなたが黒人で面倒が嫌なら
通りを歩くのは止めたほうがいい

 

ベローの相棒が警官に捕まる
相棒のブラッドリーはその辺りをうろついていた
奴は言う
二人の男を見た、中肉中背だ
他州ナンバーの白い車で逃げた
パティはただ頷くだけだった
警官は言う
ちょっと待て!まだ息があるぞ
彼らは被害者を病院へ運んだ
被害者はかろうじて意識があったので
犯人が誰か分かるはずだ

 

明け方カーターは病院に連行された
瀕死の被害者は彼を見ていう
なんだコイツは?彼は犯人じゃないよ
これがハリケーンの物語
権力者が無実の男に罪を着せ牢に送った
世界チャンピオンになるはずだった男を

 

4か月後ゲットーは炎上していた
カーターは南アフリカで試合をしていた
ブラッドリーは相変わらずの強盗稼業
刑事は奴の弱みを掴み締め上げる
酒場であったことを思い出せ!
逃げた犯人を覚えてるだろ?
思い出せ、法廷で吊るされたいか!
逃げたのは、あのボクサーだろ?
自分が白人だってこと忘れるな

 

ブラッドリーは言う「本当はよく分かんないんだ」。


小僧よく考えろ。モーテルの仕事世話したのは誰だ?
ベローにも言ってやれ、牢屋に戻りたくないだろ?
まっとうな人間になって社会の役に立つんだ
ルービンは英雄気取りで調子に乗ってやがる
俺たちは気に入らない、あいつを陥れてやる
あの野郎は白人じゃないからな

 

ルービンは一撃で対戦相手を倒した
でもそのことを自慢したりしなかった
ボクシングは仕事だ。それでお金を稼いでる
もうすぐ引退して楽園に引っ越すんだ
鱒が棲む川がある空気のきれいな所で
その土地で馬に乗って散策するんだ

でも権力者たちは彼を捕まえた
世界チャンピオンを囚人にした

 

裁判は茶番劇でチャンスはなかった
裁判官は酔っ払いを証言者に採用し
白人たちはルービンを反乱分子と考え
黒人たちはいかれた奴だと決めつけた
だれもが彼が犯人だと疑わなかった
銃の出どころも証明できないのに
有罪が確定し陪審員も同意した

 

ルービン・カーターの裁判は偽りだ
罪状は一級殺人だが誰が証言した?
ベローとブラッドリーは偽証している
そして新聞は茶番に乗っかっている
カーターのような人間の人生が
馬鹿どもに握られているなんて
どうかしている 彼のために何もできない
こんな国に生まれたのが恥ずかしい

 

ネクタイをした犯罪者は
マティーニを飲み夕日を眺める
カーターは3メートル四方の独房に
仏陀のように座っている
生きながら地獄にいるハリケーンの物語

 

彼の汚名が晴らされ
彼の時間が戻るまで話は終わらない
今は独房にいるが
世界チャンピオンになるはずだった男

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