アイドルの憂鬱

私は、常に悪をなそうと思っているのに、いつも善をなしてしまう、あの力の一部です」。➡ メフイストフェレス

 

男性は自分の男らしさと同一化するために、女性的な側面は現実の女性に投影する。同様に自分の女らしさに同化している女性は、男性的側面を外の男性に投影する。外部に投影されたイメージは、それぞれの男女関係のなかで「見えざる異性」として活動し、人間関係に多大な影響を及ぼす。

 

投影が起きている場合、例外なく、投影された相手は過大評価されるか、過小評価されるかのどちらかであり、いづれの場合にも、投影された相手はそのイメージにより、本来の人間性を曖昧にされてしまう。アニマ・アニムスは根源的であるがゆえに圧倒的なエネルギーを孕んでいて、私たちを強い情緒的な力で捕えるため、投影された人物は、磁石が自然に金属を引き付けたり、撥ねつけたりするのと同じような力で、引き付けられたり、撥ねつけられたりする。

 

■黒の舟歌
アニマ・アニムスは物語の神々や女神が、肯定的な側面と否定的な側面を持つのと同様に、魅力的である場合と、腹立たしい存在である場合があります。男性に肯定的アニマを投影された女性は、彼にとって幸福と恍惚の源泉であるように感じられます。また、容易に性的な空想と渇望の対象になり、一緒にいて性的に結びつくことができるかぎり、彼は満足したように感じます。このような状態を、私たちは「恋愛」と呼んでいます。

 

一方、アニマを投影された女性は、大きな喜びを感じます。ちやほやされ、大切にされていると感じ、意識しないまでも、相手を支配していると感じます。人は心的イメージを投影されると、投影した相手に対して強い影響力をもてるのです

 

しかし女性は、間もなくこの状況を悔やみ始めます。なぜなら、他人の魂の担い手であることの不愉快な側面を経験するからです。彼女は相手の男性が自分を「窒息させている」と気づきます。自分がいつでも、すぐさま、要求通りにならないと、彼が不愉快になるのがわかり、これが関係を重いものにします。

 

一方、男性は自分が投影したイメージからはずれて、彼女が成長しようとすると腹を立て、邪魔をしようとします。彼はあるがままの彼女ではなく、なって欲しいと思う彼女を見ていたにすぎないからです。こうして彼女は、何が何でも己の投影を実現させようとする、彼の決意の包囲網のなかで、愛情に見えていたものが、彼の独占欲と抑圧であったと気づくのです。

 

男性は自分自身の性的イメージが投影された女性との性関係には、強迫観念的に引きつけられるので、相手との瞬間的な一体感が果たされることにより、二人の関係が完成されたと感じます。一方、女性は何よりも人間関係を求め、そのあとに相手を受け入れます。男女間のトラブルの多くは、男女間の心理的相違によって現実化します。

⇨ ジョン・A・サンフォード「見えざる異性」創元社より

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