保守的になる理由:タイプ9(内向的感覚型)

えてしてこのタイプの人は他人の攻撃や支配欲の餌食になりやすい。このような状況下にあって普段はいいように利用されていた人が、思いもよらない反抗的で強情な態度をむき出しにして反撃し、周囲を驚かせることは多い

⇨ ユング「タイプ論」

 

☟(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)

最も頑固なタイプ

決断に際し圧力をかければかけるほど、彼らは頑固になる。彼らは深いところで自分が過小評価されることへの怒り を抱えているからである。このような状況に追い込まれると、タイプ9は<行動しない>ことにより抗議を表す。

 

そして一旦どちらかに身を置くと、その立場に執着するようになる。本当は決断などしたくなかったのに、圧力に負けて立場を決めてしまった自分の弱さが気に入らず、意地を張りたくなるからである

 

このようなプロセスから、どのような立場にも賛同しながら、身を入れないというタイプ9の性向が生まれ、公平な仲裁者・仲介者としての能力が構築されてゆく。

 

捨てられないコレクター

決断の遅いことのもう一つの理由は<手放すことの恐怖>である。タイプ9は手放すより取り入れる量の方が多い。彼らの過去の思い出は非常に鮮明で、現在の現実に対してはあまり身が入らないのである。

 

こうした特性の表れとして、タイプ9にはコレクターが多い。アンティークやおもちゃを集めることは、彼らの空いた空間と時間を埋めてくれるからである。しかしこれらは<重要でない>ことでなければならない。タイプ9は大切な要求の代わりに、大切でないことをする傾向がある。食べ過ぎたり、テレビを見すぎたり、漫画を読みすぎたり、凝った趣味であっても彼らには、<重要でない>から魅力的なのである。

 

彼は神話的世界に住んでいる。この世界で人間・動物・鉄道・家・山・川は一部が恵み深い神に、また一部は悪意をもった悪霊に見えるが、彼は自分がそのように見ていることを自覚していない。そして神話的世界に影響を受けているということを意識しないまま、このような驚異に対処するように判断し行動している

⇨ ユング「タイプ論」

 

怠惰への誘惑

溜め込む志向、捨てない志向、優先順位の混乱は、タイプ9の取捨選択能力の欠如を現している。葛藤を避けようとするあまり、自分自身を意識から切り離す囚われを持つタイプ9は怠惰になりやすい。

 

彼らの中には、新しい知識や技術を学ぼうとする向学心を持たない者も多い。成長するためには、古い知識や技術の一部を捨てなければならないからである。

 

強いモチベーションを持てず、方向性を決められないので、成り行きに流されるままになりやすく、深く考えず惰性で仕事をする<習慣>に陥りやすい。このような生活に意欲が介在する余地はなく、カウチポテト的なライフスタイルを好み、薬物やアルコールに依存することにより葛藤を回避しようとする場合もある。

葛藤を避けるという囚われ:タイプ9(内向的感覚型)

葛藤を避けようとするあまり、優柔不断になる

主義主張を通すより、調和を保つことを重視するタイプ9は、人の話をよく聞き理解する能力がある。意見を押しつけたり、影響力を行使するよりも、意見を受けいれて、相手を尊重する優しさがある。対立する意見があれば、公平な判断力で忍耐強く調停しようとする。

 

このようなタイプ9の<囚われ>は葛藤を避けることである。

 

彼らは子ども時代に、疎外感を味わうような体験を持つことが多く、自分の関心事など、誰にも考慮されないと思い込んでいる。そのため自分の願望を意識から追いやり、自分を無感覚にし自分を忘れることを覚えた。彼らは自分の欲求など取るに足りないと考える。

 

このような習性によってタイプ9は、重要なことと、そうでないことの区別が出来なくなり、急いでするべきことがあっても、わざわざ脇道にそれて、どうでもいいことを優先させたりする。そして時間に余裕があるほど何もできなくなる。

 

沈黙による攻撃

自分を忘れることのできるタイプ9は、他人に合わせることに抵抗がない。計画のスタート段階に自分の意見を挟むのが苦手で、成り行き任せになりやすい。また途中まで来たとき、自分は不本意だと気づいてもノーとは言えない。

 

相手の視点に同化しやすいため、どんな意見にも同調する反面、なかなか自分の態度は決まらない。どうしても決めなければならない場合は相手に合わせるか、完全に拒否するという二者択一の決断を行う。拒絶した場合は、どんなリアクションもせず問題が消えるのを待つという受け身の戦法をとる。

 

この裏には決断した結果により軽視されたり、批判されたりすることを恐れるあまり、意見を持たないことで安全を確保しようとする心の動きがある。二者の板挟みになった場合タイプ9は、どちらの見方も理解できるので立場が決められず、何を言っても理解されないと思っているので口を挟むこともない


➩(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)

タイプ9:内向的感覚型の成長と衰弱のベクトル

人には二種類しかいない。救われる人と滅びてしまう人だ

⇨ ボブ・ディラン


タイプ9(調停者)内向的感覚型の囚われ

タイプ9には、葛藤を避けようとする<囚われ>がある。混乱を避け、周囲に適合しようとするタイプ9は、安全安心を第一に考えるため、保守的で無気力になりがちである。適応のために、どんな意見にも調子を合わせるために、自分の意見を持たず優柔不断と見なされる。また、自分の願望を蔑む傾向があるため、他人の願望が重要に見えることが多く、意思決定に困難を覚える。圧力を受けても自分の意見は述べず、行動をやめて無言の抵抗を示す。

 

タイプ9にとっての時間

タイプ9にとって時間は、メトロノームのように経過すべきもの。ゆったりと規則正しく、葛藤も変化もなしに経過するのが望ましい。意識の中に、時間内にしなければならないことが山ほどあるという焦りがあり、変化や変更があると耐え難い混乱を感じる

 

タイプ9の子ども時代

穏やかな雰囲気を作り、母との間に好ましい調和を築こうとする

 

タイプ9の好む「中枢」

本能中枢に位置するが、感情や思考に属する事柄も本能中枢で満たそうとする傾向がある。そのため生命力が分散し、全体的には生気に乏しい、穏やかなイメージが与えられる。本来、感情と思考の次元で実現される、「人間関係の構築」や「広い視野からの考察」「未知への好奇心」への積極性に欠け、惰性的で葛藤を避けるという「囚われ」を生み出す。

➩(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)

 

オリバー・ストーンが語る「もう一つのアメリカ史」より

レーガン政権末期は、後ろ暗く、入り組んだスキャンダルにまみれました。情けないことにレーガンは記者会見で、イランに対する政策について充分に知らされてはおらず、その一部に重大な欠陥があったと語りました。

 

人質解放のために、武器を売却したことはないと述べました。私の心はそれが真実だと告げていますが、事実と証拠は、そうではありません。報告書の通り、イランへの戦略的布石は、その実行段階において武器売却へと変質しました。これは私自身の信念、政権の政策、当初の戦略に反します。起きたことには理由がありますが、あれは間違いでした」。

 

このような謝罪は、ニクソンだったら通用しなかったでしょう。レーガンは刑務所送りになるには、あまりにも優しげなオーラを発していました。ワシントン政界はアメリカが、更なる弾劾や辞任劇に耐えられないと考え、レーガンに任期を全うさせました。しかし、彼の部下たちはレーガンほど幸運ではありませんでした。

 

*<ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ」春秋社>でレーガン元大統領はタイプ9の有名人として紹介されています。

タイプと中枢の関わり

 

        本能中枢のタイプ-

 

思考中枢のタイプ-    感情中枢のタイプ-

 

それぞれの中枢を、状況に応じて使い分けることが理想的だが、黒太字で示したは本来の中枢で全てを処理したがる。そのほかのタイプはすぐ隣の中枢、つまりは思考、は本能、は感情、は思考、は本能、は感情を補助的に使うことを好む。

 

本能中枢を好むタイプ

本能中枢の人にとって重要なのは「自分の存在」で、彼らは他者の関心が自分に向けられることを望んでいる。どのような場面でも自分の立場を明確に計り、安定した立場から相手をコントロールしようとする。彼らのエネルギーは「しなければならないこと」に集中するため、自分のみならず他人にも厳しく、多くの期待と要求を課す。自分のエネルギーの流れに、身を任せ従うことにより、自尊心が守られて充実感を得る。この中枢は過去に体験したことにより強化されるので、その行動も意識も過去に影響されやすい

 

感情中枢を好むタイプ

感情中枢の人の主な関心事は、他者との関わりであり、最も重要なのは「自分への好意」だ。彼らは、他者との関わりにおいて、自分に「好意的か?敵対的か?」あるいは「好きか?嫌いか?」に意識を傾ける。相手が何を必要としているかを気にかけ、それにより人を喜ばせたり助けたりして、相手の反応をうかがう。人のために何かすることで、相手から好意的な感情を引きだそうとする

 

思考中枢を好むタイプ

思考中枢の人の最大関心事は「部分と全体との関連性」であり、情報や知識を元にした思考を重視する。彼らは本能中枢の人のように状況に飛び込んで、自分を確立しようとはしないし、感情中枢の人のように他者に重きを置くこともない。全体を見通し、自分と他人の位置を把握して現象を理解する。他人の立場や心情については、自分を相手の立場に置くことにより、相手の心に注目せずとも、理解することが出来る。彼らは思考的な疑似体験により多くを知り、自分の行動指針を決定する

➩(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)

人間が活力を得るための「中枢」

人間は、日常の生活を送ったり、仕事をする際にその活力を得る源泉として三つのセンターを備えている

➩(鈴木秀子著「9つの性格」PHP、より)

 

本能中枢(腹中枢)

本能(=先天的に備わったプログラム)と、習性(=本能+生後の体験で築いたプログラム)の次元で機能し「腹中枢」とも呼ばれる。本能中枢は、意識の介在しない自然な行動司る。本能中枢に従った行動とは、身体に即した行動といえる。

本能中枢を好むタイプは、感情や論理にあまり関心を示さず、自分が他者から影響を受けることを嫌い自分の感覚を信頼している。異なるタイプから見ると、彼らの行動は客観性を欠いた独り善がりのように見えるが、これは本能の赴くままというよりは、彼らの内面が素直に表れていると考えるべきだろう。

 

感情中枢(心中枢)

感情の次元で機能し「心中枢」とも呼ばれる。感情は、主に他者と関連して変化するものなので、感情中枢は他者との関係性に深く関わざるを得ない。感情中枢の働きは、他者との個人的な出会いの際に体験することが出来る。

世の中には、他人が自分のことをどのように思っているかを非常に気にする人がいる。誰でもある程度は、人間関係を意識するが、多くの場合それは、社会生活を円滑にするための手段である。しかし感情中枢を好むタイプにとって、対人関係こそが自らの尊厳に関わる最重要課題である。このタイプの人は「相手が自分を好きか嫌いか」を常に自問している。

 

思考中枢(頭中枢)

思考や内省の次元で機能し「頭中枢」とも呼ばれる。思考中は現実から離れるので、思考中枢は他者から遠ざかるプロセスを必要とする。思考中枢は、出来事の意味を発見したり、事実を再構築したりする。思考の次元を生きる人は、思考に重きを置き、行動を起こすために強い決断力を必要とする。

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