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ナルチシズムは真実を歪める

タイムレス ⇨ 永遠の、時代を超越した


 

エーリッヒ・フロム「悪について」紀伊国屋書店 より

ナルチスティックな人は、しばしば自分のパーソナリティの一部分に、ナルチシズムを*カセクシスする。例えば自分の名誉、知力、勇気、機智、美貌など。(時には心配性で取り越し苦労など普通自慢にはならないようなことまで)「かれ」は彼と同一視されるようになる。「かれ」とは、彼の頭脳彼の名声彼の富彼の性器彼の良心等々である。

 

*「カセクシス」精神分析理論で、精神的エネルギーが、特定の活動・観念・物・人などに向けつづけられること。 特定の人や物に対する好悪の感情がいつまでも続くこと。➡コトバンク

 

ナルチスティックな人の場合、そのナルチシズムの対象となるのは、彼自身を構成する部分的な一面のどれでもよいのである。自分がその所有物で代表されているような人は、威厳を犯すものは我慢できても、自分の所有物に対する脅威は、自分の生命を脅かすものとなる。

 

ナルチシズムの程度が強くなればなるほど、ナルチスティックな人は失敗の事実を認めたり、他人の正当な評価を受け入れられなくなる。他人の侮蔑的な行為に憤慨するか、相手は無分別で無教養のため正当な批判ができないのだと感じるに過ぎない

 

彼は自分と関連のある全てのものに同じ愛着を示す自分の観念自分の知識自分の家自分の興味範囲にある人々もまた、ナルチスティックな愛着の対象となる。

 

ナルチシズムは、その強度において多くの場合、性的欲求や生存欲求にも匹敵しうる熱情である。それほど強くない普通の人の場合でも、ほとんど破壊し難くさえ見えるナルチスティックな核が残っている。

 

そうだとしても、極端に強いナルチシズムが社会生活にとって、強い障害となることは疑う余地がない。だからこそ、他人から自己を守り、他人の主張に対して自己の主張を貫くエネルギーを放棄することができないにしても、ナルチシズムは自己保存の本能と葛藤しなければならない。なぜなら、個々の人間は集団の中に自己を組み込むことによって、はじめて生存しうるからであり、集団の中においてはじめて成しうる多くの仕事も遂行できるからである。


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地球ネコ
内村鑑三の言葉
日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。欠けているのは「生きた確信」である。真理そのものを愛する「情熱」である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。
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武者小路実篤の言葉
何のためにあなたたちは、生きているのですか。国のためですか、家のためですか。親のためですか、夫のためですか、子のためですか。自己のためですか、愛するもののためですか。愛するものを、持っておいでですか。
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