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大国依存という病

何清漣★一帯一路の「債務の罠」 — 大国追随の売値は? 2019年4月29日 より

 

西側のメディアはずっとイデオロギーを優先させ、経済の重要性、とりわけ米国の世界経済における中心的役割を、いささか軽視するきらいがありました。しかし、米国民主党が、2018年中間選挙で勝利を得てから、社会主義政策が民主党の選挙戦で極端に好まれるようになり、米国有権者の主体が関心のあるテーマからどんどん外れていくようになります。

 

西側メディアは焦り、1992年のクリントン大統領が父親のブッシュを破った時の名言、「根本的な問題は経済なのだよ!」という言葉をよく引用するようになりました。この言葉で全世界の左派論客に、経済をなんとかすることだけが勝利への道なのだ、と気が付かせようとしています

 

実際、この心理は全世界の国々の政治ばかりか、今回、各国が争って中国の「一帯一路」の「債務の罠」に飛び込んでいることへの説明にもなります。なぜなら、中国のお金を得ることだけが、自分たちが自国経済をなんとかして、選挙民の支持を勝ち得る元手になるからなのです

 

本来、経済発展は各国自分たちの事情によるものでした。しかし、第二次世界大戦以後、世界はある種の大国追随の方法に慣れきって来ました。主義主張ということではなく、各国、特にイデオロギー的色彩が薄い国々は、どちらかの勢力の端っこに立つことで、両方の大国から経済援助を得られました。多くの中小の国家は経済発展をさせる方法を持ちませんでした。しかし米ソ間の覇権争いというゲームをシーソーのように利用して、より多くくれる側についたのです

 

米国は第二次世界大戦以後、国際秩序という「世界の公共品」を担って来て、それを自分たちの「ソフトパワー」の体現だと思っており、各国もまた当然のように、それは米国の責任だと考え、別に感謝もしませんでした。中国は、金銭の力をはっきり知っており、国連の中で、合従連衡を画策し、人権に関しては、お金で発展途上国に重要な影響力を行使して来ました

 

冷戦モデルの置き土産 中国の目標と米の干渉

中国政府の統計では、2019年3月末までにすでに125の国家がそれぞれ異なる協力協定にサインしています。これらの国家は全世界のGDPの36%を占め、世界の総人口の6割になります。こうまで費用と手間をかけるのは、本当にビジネスチャンスを得るだけが目的でしょうか?当然、違います

 

今回のサミットの間、中国は他国の疑惑を解消するために少なからぬ努力をし、各国も中国側の説明を受け入れ、中国が運輸とインフラ設備を通じて、欧州とアジア大陸の距離を縮め、貿易を進行させて、人類の連携と沿線国家の国民に有利なようにするということです。でも、これはだからと言って、こうした国々が「一帯一路」の地政学的上の戦略的意義を理解していないということではありません。

 

一帯一路」の目的は、中国を中心とする世界の建設であり、各国を中国と協力させる中で、高度に北京に依存させるためです。中国は「一帯一路計画」を通じて、ルールを制定する権限を勝ち取り、世界の構造を塗り替えるようとしているのです

 

各国も、米国がとっくに、中国の「一帯一路」に対して不満であることは承知しています。米国の戦略家たちは、中国が「一帯一路」を建設を通じてあたえる影響を軽視出来ないとみています。それはアジアと欧州大陸の地政学的なバランスを変えてしまう潜在的な力であり、技術の標準、軍事的安全、国際発展などの多領域にわたって米国が作っている構造に対する挑戦であり、米国が第二次世界大戦後に作り上げた全世界的な覇権の基礎を破壊しかねないと見ています。

 

ですから、米国は決して中国のこの分野での強力な挑戦を容認しないでしょう。しかし、二つの超大国間の覇権争いは、必然的に世界の多くの国家に、自分たちをどちらか一方に、高く売りつけるチャンスをもたらします

 

争って中国の「債務の罠」に飛び込む各国というのは、ただアジア諸国が冷戦後に形成してきた「経済利益は中国から、政治的安全は米国頼り」がちょっと変わって、再び冷戦時代の「シーソー」に戻っただけです。2018年10月の、マレーシアなどの国々が、IMFや米国に、自分たちは中国の罠に陥ったと訴えたようなことが、また必ず起こるでしょう。なぜなら、そうした泣き言もまた一種の、自分たちを高く売りつけるやり方のひとつなのですから。

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内村鑑三の言葉
日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。欠けているのは「生きた確信」である。真理そのものを愛する「情熱」である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。
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