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覇権撤退と多極主義

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田中宇の国際ニュース解説/世界はどう動いているか「目くらましとしての日韓対立」より


2019年7月24日:最近の日韓の対立激化は、米国の覇権が低下し、日本も韓国もこれまで敵だった中国やロシア、北朝鮮に対する敵視をやめていかねばならない中での「目くらまし」として機能している。日本は今後、対米従属できなくなり、これまで日本国民をプロパガンダ漬けにして敵視させてきた中国・ロシア・北朝鮮と和解協調していかねばならない。日本政府は、中露北と和解しようとすると、政府自身がばらまいた中露北敵視のプロパガンダによって批判される


そのため政権は、まず官僚でなく官邸がマスコミを牛耳れるようプロパガンダのシステムを変更した上で、マスコミなどを扇動して目くらましとして韓国への敵視を強める一方で、マスコミに中国批判をやめさせつつ、習近平の中国にすり寄る戦略を目立たないように続けている。そのうち、ロシアや北朝鮮についても同じことをやるだろう


米国の覇権縮小は必ず起きるので、日本が中露北と和解するのも不可避だ。 同様に韓国も、これまで敵視してきた北朝鮮と和解するため、目くらまし的な代わりの敵視相手として日本を選んでいる。日韓は戦後の「腐れ縁」であり、くだらない話で感情的に対立しても、必要になれば(目くらましとしての敵対が必要なくなれば)いつでも仲を戻せる


日韓の対立は、日韓双方にとって、多極型世界への過渡期の目くらましとしてちょうど良い。最近、外務大臣がさかんに韓国側と喧嘩して見せているが、もともと韓国と仲が良かった大臣の韓国敵視は、政権に命じられた演技以外の何物でもない


今回の中露軍機の日本海飛行に関しても、日本のマスコミは、ロシアと韓国の2国間の軍の衝突であるかのように報じている。


ロシア単独でなく、中露の合同演習だったことは詳細に読んでいかないとわからないようにしてある。政権はマスコミに、中国が関与していないかのように報じさせ、日本人が中国を敵視せぬよう誘導している


日韓の対立は目くらましなので、国際的に誰かが仲裁して日韓を仲直りさせる必要がない。米国も中露もそれを知っている。トランプは「必要なら仲裁する」と言いつつ、何もしていない。ボルトンも仲裁すると言って日韓を訪問したくせに、実際にやったことはイラン前面への派兵要請だ。トランプは、英国など同盟諸国を動かしてイランと対決させたうえで、米国自身はイランと和解して同盟国のはしごをはずそうとしている


英国はそれに引っかかってひどい目にあっている。この策略はボルトンの担当だ。日本も韓国も、ボルトンの要請を受けない。首相はイランに行って仲良くしてきたばかりだ。日本はすでに「派兵しません」と宣言している。


トランプの米国は、極東だけでなく中東からも撤退しようとしている。米国が「中国やロシアの脅威」を扇動的に語るのは「中東より中露の方が脅威なので、米軍を中東から撤退させますよ」と言うための詭弁だ。米軍は、中東から撤退しても日韓など中露前面を増強するわけでない。北問題が解決していくので、米軍は日韓からも出ていく。


米軍が中東インド洋から出ていくと、その後のインド洋航路の防衛は米国に頼れなくなる。日本や韓国中国がバラバラに航路防衛をやるのは大変なので、日中韓やイラン、インド、パキスタンなどが連携して航路防衛(海賊対策)するようになる。日本は韓国中国と仲良くする以外の道がない。トランプのイラン敵視策に乗る国が皆無なのも当然だ


日本や韓国を対米自立させたいトランプは多分、安倍が中国と仲良くするための目くらましとして韓国との対立を扇動していることに賛成している。安倍は最近、徴用工や従軍慰安婦など歴史の問題でなく、半導体の対韓輸出を規制する策で韓国と対立しているが、これはトランプの貿易戦争戦略と似ており、トランプが安倍に「歴史問題は構造的に日本が不利なので、歴史問題でなく貿易戦争で韓国と対立したら良い」と入れ知恵した結果でないかと推測される。このトランプの入れ知恵にも落とし穴がありそうだが、それはいずれ見えてくるだろう。

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地球ネコ
内村鑑三の言葉
日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。欠けているのは「生きた確信」である。真理そのものを愛する「情熱」である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。
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武者小路実篤の言葉
何のためにあなたたちは、生きているのですか。国のためですか、家のためですか。親のためですか、夫のためですか、子のためですか。自己のためですか、愛するもののためですか。愛するものを、持っておいでですか。
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佐藤蓼丸

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