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「信頼」の新しいつくり方


経済学では、何百年にもわたって、人間の行動の研究が行われてきました。意思決定の仕方や、個人の行動や集団での行動の様子、価値を交換する方法などです。また、人間の経済活動を円滑化する制度や機関、例えば法制度、企業、市場も研究対象です。しかし今、技術の形をしたある機関が新たに生まれ、これで人間同士が取引する姿が根本的に変わっていくでしょう


その機関とはブロックチェーンです。今かなり大胆に言い切りましたが、覚えておいてほしいことがあります。ブロックチェーンの技術は比較的新しいと言えども、非常に人間らしい、ある傾向を引き継いだものです。私たち人間は、他人と価値の交換ができるように、お互いに対する不安を、軽減する方法を見つけ出すものです


さて、経済活動の中で制度や機関を利用し、お互いへの不安を軽減することで取引しやすくするという概念を、深く掘り下げる研究をした草分け的な存在の1人が、ノーベル経済学賞を受賞したダグラス・ノースです。「新制度経済学」という理論をいち早く開拓した人です。ここでは「制度」という言葉は、憲法をはじめとした公式の規定や、収賄のような非公式の制約を、指しているだけに過ぎません。


このような制度は、要は経済の歯車がうまく回るように、油をさす役目を果たすわけですが、人類史とともに発展してきたことが分かります。狩猟採集時代に遡って考えると、経済活動は自分たちの村社会の中に限られました。非公式の制約制度は、ある程度あったものの、暴力や社会の目などが圧力となり売り買いができたのです


社会の複雑性が増し、取引ルートが広がるにつれ、もっと公式な機関が設けられ、例えば通貨を管理する銀行や、政府や企業などが生まれました。これらの機関は社会の複雑性や不確定性が増し、個々人の力が著しく縮小した中で、人々が商売を営むのを助けてくれました。


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インターネット時代になると、アマゾン、イーベイ、アリババなど、プラットフォーム型市場が生まれ、単に処理時間が短縮されたバージョンの機関として、人と人との経済活動の間に入って取り持つようになりました。ダグラス・ノースの考えた通り、機関には私たちの不安を軽減することで、人同士をつなぎ、どんな種類の価値でも交換できるようにする役目があります。


そして今まさに、人同士が交流し、取引を行う形が一層の進化を、急激に遂げつつあると、私は思います。というのも今までと違って、私たちは、銀行や企業や政府など、政治・金融機関の力を借りる以外にも、未知のものに対する不安感を、軽減する方法を編み出し、あと必要なのは技術の力だけだからです。⇨ TEDチャンネル「How the blockchain will radically transform the economy」ベッティナ・ウォーバーグ(精神科医師)

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内村鑑三の言葉
日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。欠けているのは「生きた確信」である。真理そのものを愛する「情熱」である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。
武者小路実篤の言葉
何のためにあなたたちは、生きているのですか。国のためですか、家のためですか。親のためですか、夫のためですか、子のためですか。自己のためですか、愛するもののためですか。愛するものを、持っておいでですか。
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佐藤蓼丸

Author:佐藤蓼丸
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