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ブロックチェーンの定義


FUTURE STRIDE/ソフトバンクのビジネスWEBマガジン「超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識」、Bettina Warburg「How the blockchain will radically transform the economy 」(TED)より


■ブロックチェーンの定義

ブロックチェーンとは「参加者の中に不正を働く者や正常に動作しない者がいたとしても正しい取引ができ、改ざんが非常に困難で、停止しない多数の参加者同一のデータ分散保持させる仕組み」(超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識)


■ブロックチェーンの特徴

1、改ざんが非常に困難 2、システムダウンが起きない 3、取引の記録を消すことができない 4、自律分散システム


ブロックチェーンは、ハッシュや電子署名という暗号技術を用いることで、データの改ざんを容易に検出できる。 また、不特定多数の参加者が取引するが、多数の参加者が全員の取引履歴のコピーを記録しているため、一部のコンピュータがダウンしても、残りの多数の参加者が記録を保持し続けるため、システム全体がダウンすることはない。この取引履歴のコピーは削除もできないため、一度記録された取引の記録は消えずに証拠として残り続ける。(超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識)


「例えるなら、ウィキペディアなんかが近いでしょう。ウィキペディアは全てが丸見えです。情報はつぎはぎの状態で表示され、常に変更・更新されます。ウィキペディアは変更履歴を辿ることもできますし、自分のウィキページを作ることもできます。突き詰めれば1つのデータ基盤でしかないからです。ウィキペディアとは、言葉や画像を保管し、それらのデータへの変更も蓄積していく、オープンなプラットフォームだと言えます。一方、ブロックチェーンは様々な種類の資産を保管するオープンな基盤であると言えます」(ベッティナ・ウォーバーグ)


今までの分散システムには管理者が存在していたが、ブロックチェーンは、全ての参加者が自律して取引履歴をコピーし続ける自律分散システム。この自律分散システムの、不正改ざんを許さず、公正な取引の履歴を安定して記録し続ける特性は、仮想通貨を筆頭とした高い信用度を求められる取引には欠かせないものだった。


従来のデータベースでも、複数のコンピュータに分散したバックアップから、エラーや改ざんの修復は可能。しかし、その仕組みは中央集権的であり、サービスを提供する管理者の存在が不可欠。サービスが停止すればデータベースの中身は消失するし、都合によってデータを抹消される可能性もある。また、管理者に悪意があればデータの中身を改ざんできてしまう。


一方で、ブロックチェーンは、サービス提供者であっても記録されたデータの改ざんや消去はできないし、参加者が自身の取引履歴を消すこともできない。この点がブロックチェーンとデータベースの最大の差だ。この特性があるために無名のサービス提供者であっても、通貨などの取引を任せることができると言える。(超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識)

「信頼」の新しいつくり方


経済学では、何百年にもわたって、人間の行動の研究が行われてきました。意思決定の仕方や、個人の行動や集団での行動の様子、価値を交換する方法などです。また、人間の経済活動を円滑化する制度や機関、例えば法制度、企業、市場も研究対象です。しかし今、技術の形をしたある機関が新たに生まれ、これで人間同士が取引する姿が根本的に変わっていくでしょう


その機関とはブロックチェーンです。今かなり大胆に言い切りましたが、覚えておいてほしいことがあります。ブロックチェーンの技術は比較的新しいと言えども、非常に人間らしい、ある傾向を引き継いだものです。私たち人間は、他人と価値の交換ができるように、お互いに対する不安を、軽減する方法を見つけ出すものです


さて、経済活動の中で制度や機関を利用し、お互いへの不安を軽減することで取引しやすくするという概念を、深く掘り下げる研究をした草分け的な存在の1人が、ノーベル経済学賞を受賞したダグラス・ノースです。「新制度経済学」という理論をいち早く開拓した人です。ここでは「制度」という言葉は、憲法をはじめとした公式の規定や、収賄のような非公式の制約を、指しているだけに過ぎません。


このような制度は、要は経済の歯車がうまく回るように、油をさす役目を果たすわけですが、人類史とともに発展してきたことが分かります。狩猟採集時代に遡って考えると、経済活動は自分たちの村社会の中に限られました。非公式の制約制度は、ある程度あったものの、暴力や社会の目などが圧力となり売り買いができたのです


社会の複雑性が増し、取引ルートが広がるにつれ、もっと公式な機関が設けられ、例えば通貨を管理する銀行や、政府や企業などが生まれました。これらの機関は社会の複雑性や不確定性が増し、個々人の力が著しく縮小した中で、人々が商売を営むのを助けてくれました。


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インターネット時代になると、アマゾン、イーベイ、アリババなど、プラットフォーム型市場が生まれ、単に処理時間が短縮されたバージョンの機関として、人と人との経済活動の間に入って取り持つようになりました。ダグラス・ノースの考えた通り、機関には私たちの不安を軽減することで、人同士をつなぎ、どんな種類の価値でも交換できるようにする役目があります。


そして今まさに、人同士が交流し、取引を行う形が一層の進化を、急激に遂げつつあると、私は思います。というのも今までと違って、私たちは、銀行や企業や政府など、政治・金融機関の力を借りる以外にも、未知のものに対する不安感を、軽減する方法を編み出し、あと必要なのは技術の力だけだからです。⇨ TEDチャンネル「How the blockchain will radically transform the economy」ベッティナ・ウォーバーグ(精神科医師)

始まっているブロックチェーン

FUTURE STRIDE/ソフトバンクのビジネスWEBマガジン「超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識」、Bettina Warburg「How the blockchain will radically transform the economy 」(TED)より


行政サービスに活用した具体例

エストニアは「デジタル先進国」と呼ばれている。1991年にソビエト連邦から独立した人口130万人強の北ヨーロッパのこの小国は、「e-Estonia(電子国家)」というスローガンを掲げ、官民を問わずITを積極的に活用している。そんなIT先進国エストニアは、世界で最も早くブロックチェーンを行政サービスに導入した国のひとつとして注目を集めている。


現在、エストニアでは納税投票、結婚や離婚の手続き、土地や法人の登記、パスポートの発行までもがインターネットで完結する。銀行取引保険はもちろん、医療情報も電子化されている。驚くべきことに、すべての行政サービスのうち99%がインターネットで完結するという。


さらには、エストニアを一度も訪れたことのない外国人でもインターネットで「電子居住者」としての登録申請が可能で、この電子居住者の制度が外国人起業家の誘致の鍵となっている


エストニアの電子政府は「利便性」と「透明性」をポリシーに掲げ、これらの行政手続きの記録にブロックチェーンを活用しており、国そのものがブロックチェーンスタートアップだと言われるほどに力を入れている。まさに近未来国家と言えるだろう。


マーケットプレイスに活用した具体例

インターネット上のフリーマーケットサイトやオークションサイトで個人同士が売買をする仕組みは、今や巨大な市場となっている。このようなマーケットプレイスでもブロックチェーンの活用が進んでいる。アメリカのOpenBazaar はその代表例だ。


ビットコインを使った決済に対応したOpenBazaarは、出品者と購入者がサイト上で直接取引を行うタイプのマーケットプレイスだが、ブロックチェーンを活用することで、匿名性を担保しつつ安全な取引を実現しているだけでなく、サービス利用のための手数料がかからない。こうしたブロックチェーンを利用したマーケットプレイスはユーザーのニーズに合致しているため、今後も増え続けるだろう。(超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識)


仮に、中古のスマートフォンをイーベイで買いたいとします。まず最初にすることは、売り手について調べることです。熟練ユーザーかどうか、高評価がついているか、それともプロフィールがないかなどです。評価の内容や星の数、認証チェックマークなど、現代ではその身元の証明になる材料を揃えることで、取引相手についての不安を解消するのに役立てているのです。


しかし、こういった証明は、統一性に大きくかけているのが難点です。ブロックチェーンを使えば、オープンな世界規模のプラットフォームを作り出せます。そこには、誰に対しても、どんな出処からの情報でも、証明として保管できます。そうすれば、ユーザー主導で、どこでも通用するプロフィールを、作ることができます。


取引や交流を円滑化するようなものを、選んで開示することも出来るということです。国が発行した身分証明書を持っていることや、21歳以上であることなど、これらが事実であることや、承認済みであることなどの証明内容を暗号化して公表すればいいわけです。⇨Bettina Warburg「How the blockchain will radically transform the economy 」(TED)

鎖つなぐハッシュ値の不思議

日経BizGate/いまさら聞けないITの常識:仮想通貨の「ブロックチェーン」 鎖つなぐハッシュ値の不思議 中央大学国際情報学部教授 岡嶋 裕史、2019/9/30より

ビットコインには一定の管理者が存在しません全参加者の多数決によって、ブロックチェーンが承認され機能しています。これによって、管理者が不正をしたり、不当に利益を得る可能性を極小化できます。こうした理念を技術面で支えているのが、ハッシュとマイニングです。


ハッシュ値という不思議な数字

すべての利用者にデータを配布すると、第三者が不正なデータを追加するかもしれませんし、お金を使った人も「使った覚えはない」などと言い出すかもしれません。これらを防止するために、ブロックチェーンではハッシュ値が使われています。

 

ハッシュ値は、あるデータをハッシュ関数(いろいろ種類があります)にかけると出力される値で、たとえば「日本経済新聞出版社」というデータを、MD5ハッシュ関数にかけると、こういうハッシュ値が得られます。


d0ee5d01c5811b0eda648cdd8ba899f4(16進数で表示しています。16進数では10をa、11をb、...15をfで表します)


ハッシュ値の特徴は、・同じデータを同じハッシュ関数にかけると、必ず同じハッシュ値が出てくる。・ちょっとでもデータをいじると、似ても似つかないハッシュ値になる。・ハッシュ値から、もとのデータを推測することは事実上不可能


確かに、d0ee5d01c5811b0eda648cdd8ba899f4から、「おお、これはもとのデータは『日本経済新聞出版社』に違いない」と判断できる人はいませんし、もとのデータを「日本経済新聞出版」と1文字削ってみると、88382fd6651e98be881677408f8a70fdと、全然違う値が出てきます。


この特性があるので、ハッシュ値はよくデジタルデータのサイン代わりに使われます。あるデータからハッシュ値を取得しておくと、そのデータが改竄(かいざん)されたときにハッシュ値も変わってしまうので、改竄に気付けるのです


もちろん、もとのデータとハッシュ値の両方が改竄されると、不正に気付けません。また、パスワードをそのまま保存しておらず、ハッシュ値にして保存しているから大丈夫、と説明しているサイトがあります。 確かにパスワードをそのまま保存するよりは、ずっと安全です。そして、利用者がパスワードを入力してきたときには、そこからハッシュ値を作り、保存してあったハッシュ値と比較することで、正しいパスワードかチェックすることもできます。


とはいえ、実はハッシュ値を推測する方法はあります。たとえば、

aのハッシュ値 0cc175b9c0f1b6a831c399e269772661

bのハッシュ値 92eb5ffee6ae2fec3ad71c777531578f

と、繰り返していけば、理屈の上ではすべての文字列に対するハッシュ値が得られることになり、合致するハッシュ値を見つけ出すことで、「ああ、このハッシュ値は××だったんだな」とわかってしまいます。


もちろん、それは「可能性がある」だけで、任意のパスワードを見つけるには無限に等しい試行錯誤が必要なので、事実上不可能=安全という理屈です。ただ、ありがちなパスワード、たとえば「123456」のハッシュ値は「92eb5ffee6ae2fec3ad71c777531578f」などと結果を蓄積しておけば(レインボーテーブルという手法です)、弱いパスワードを使っている人のハッシュ値はすぐに特定できてしまうかもしれません

P2P、電子署名、コンセンサス

FUTURE STRIDE/ソフトバンクのビジネスWEBマガジン「超わかりやすいブロックチェーンの基礎知識」より

P2Pネットワーク

P2P(Peer to Peer)とは、複数の同等なコンピュータが1対1で直接通信を行う接続方式を指す。P2Pでつながったコンピュータが多数集まり相互に通信するネットワークを、P2Pネットワークと呼ぶ。


Peerとは「同僚」「仲間」を意味する単語で、P2Pネットワークで接続されたコンピュータは、等しく同等の機能を持つ。つまりシステムが分散されており、一部のコンピュータがダウンしたとしてもシステム全体は動き続ける性質を持つ。この性質がP2Pネットワーク最大の特徴であり、ブロックチェーンはP2Pネットワークによりシステムダウンしない分散システムを実現している。


電子署名

電子署名とは、デジタル文書の作成者を証明する電子的な署名であり、電子署名をすることで、次の2つの妥当性を証明することができる。「データが署名者により作成されたこと」「データが改ざんされていないこと


電子署名を生成する際には「公開鍵」と「秘密鍵」と呼ばれるペアとなるキーが作成される。署名者は秘密鍵を使ってデータに署名し、電子署名として受信者に送る。受信者は事前に受け取っていた対となる公開鍵を使うことでそのデータが署名者によって作成されたことを確認する。ブロックチェーンは、この電子署名を利用することで、なりすまし改ざんを防いでいる。


コンセンサスアルゴリズム

ブロックチェーンにおけるコンセンサスアルゴリズムとは、不特定多数の参加者の間で正しく合意形成を得るための仕組みである。「合意形成アルゴリズム」や「合意形成」と呼ばれることもある。


コンセンサスアルゴリズムという言葉そのものは、コンセンサス(合意する)とアルゴリズム(計算方法)の意味のままに、合意形成のための計算方法を指す。しかし、不特定多数の参加者から成るブロックチェーンにおいては、ビザンチン障害を引き起こす取引時に不正を働く者正常に動作しない者が含まれる可能性があるため、これらが含まれていたとしても正しく合意を形成できる仕組みが求められる


liquid.com-安全な仮想通貨取引をLiquidで。「ビザンチン将軍問題とは」より

ビザンチン将軍問題

ビザンチン将軍問題という名称は、ヨーロッパに実在したビザンツ帝国の9人の将軍が由来となっています。敵国を陥落させるためには、9人の将軍が率いる全軍で突入しなければならないという状態の中、攻撃か撤退かの2択を迫られたのです。しかし、9人の将軍は離れた場所におり、伝令を使って自軍の意思を伝達するという方法を取らざるを得ませんでした


このとき、攻撃すると答えた将軍が4人、撤退と答えた将軍が4人、最後の将軍の判断によって結果が左右される状況が生まれます。しかしこの時、最後に残った将軍は実は裏切り者で、この作戦を失敗させようと画策します。


最後の将軍がとった行動は、攻撃すると答えた将軍には撤退と伝え、撤退すると答えた将軍には攻撃すると伝えたのです。結果として、裏切り者の将軍の思惑通りにビザンツ帝国は戦力が不足し敗戦に追い込まれてしまいます


このように、中央集権型ではない管理者が不在の状態で合意形成を図るとき悪意のある者が存在していると適切な合意形成がなされない可能性が生じます。ビットコインの技術であるブロックチェーンにおいても同様の懸念がありますが、ビットコインの場合はPoW(Proof Of Work:プルーフ・オブ・ワーク)という技術によってビザンチン将軍問題を解決しています。


PoWはいち早くブロックの計算を行ったホストに対して報酬が支払われる仕組み(マイニング)を採用していますが、ビザンチン将軍問題のように誤った情報を流そうとすると、すでに正しい処理が行われた結果を書き換える必要があります。


この上書き処理は過半数となる51%のブロックに対して行う必要があり、これには極めて膨大な時間とコストを要します。そのようなコストをかけるよりも、正規の方法でPoWによる報酬を得るほうがメリットが多いため、ブロックチェーンに対するビザンチン将軍問題はほぼ起こり得ないと考えることができます

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