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ガウェインと緑の騎士


ジョーゼフ・キャンベル+ビル・モイヤーズ「神話の力」早川書房 より


モイヤーズ「私たちが死を理解するのを助けてくれる神話というと、どんなものがありますか」。


私たちは死を理解できません。死を静かに受容することを学ぶだけです。キリストが人間の僕の姿をとり、十字架上の死に甘んじた物語は、死の受容ということを私たちが学ぶ際の根本的な教えだと思います。


オディプスとスフィンクスの物語も、死の受容について語っています。スフィンクスはその一帯に災いをもたらしていた。そしてこの災いを取り除くために、英雄は彼女がかける謎に答えなければならなかった。


「四本足で歩き、次に二本足で歩き、次に三本足で歩くものはなにか」というのがその謎です。答えは「人間」です。赤ん坊は四つん這いで這いまわる、大人は二本足で歩く、年をとると杖をついて歩く。


スフィンクスの謎は、時の流れを通して見た人生の姿ですー 子供から大人になり、老人になり、そして死ぬ。恐れることなくスフィンクスの謎を見つめ、それを受け入れるとき、死はもはやあなたに取り付いた恐怖ではなくなり、スフィンクスの呪いも消えるわけです


死の恐怖を克服することは、生の喜びを取り戻すことでもあります。人は、生の反対物としてではなく、生の一つの相として死を受け入れたときにのみ、無条件な生の肯定を経験することができる


成りつつある生は、常に死の殻を脱ぎ捨てつつ、死の直前にある。恐怖の克服は生きる勇気を湧かせます。恐怖を克服していること、なにかを成し遂げることー  これは、どんな英雄の冒険においてもまず必要な、最も重要なことです


現在の私は自己存在の最終的な形ではありません。そのことがいま私にはわかっています。私たちは常時、なんらかの形で死ななくてはならない。すでに完成された自分を脱ぎ捨てて行かなければならないんです。


モイヤーズ「で、この物語が教えているのは?」


そうですね、英雄になるためには、何よりもまず誠実、克己、勇気といった騎士の美徳が必要だということでしょうか。まず、しようと決めた冒険に関して、それをやり通す誠実さ。いま一つは、騎士道の理想に対する誠実さ。


仏陀は、義務の神から、自分の地位にふさわしい社会的義務を果たすように迫られたとき、あっさりとそれを無視した。そしてその夜、悟りを開き、輪廻転生から解脱しました。


これに対して、ヨーロッパ人であるガウェインは、どこまでもこの地上の世界に対して誠実でした。この世の生の諸価値から逃れるのではなく、それに対して誠実であろうとするのです。


しかし、私たちがこれまで見てきたように、仏陀の道をとるにしてもガウェインの道をとるにしても、どちらにしても完成への道は欲望と恐怖の狭間を貫いているのです。

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