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消費の歯車

自由貿易により国際間の競争が’激化し、生産者はコスト、ひいては人件費を削減する。少数の富裕層はひたすら貯蓄に励み、大部分の貧困層は消費できない。このため『消費の歯車』が止まり、資本主義は崩壊する。地球の資源や食料や物資などの物が有限で、人間の欲望が無限なら、それにより存在する貪欲な資本主義が崩壊するのは必然だ。⇨ラビ・バトラ(経済学者)


ラビ・バトラ「貿易は国を滅ぼす」1993年 光文社/本書を読む前に・小室直樹 より


日本人にとって、忘れてはならないことは、日本は自由貿易によって利益を得る国になってしまった、ということである。


自由貿易によって不利益をこうむる国も多々あるが、その不利益のこうむり方も、じつは種々さまざまであって、産業構成によって異なってくる。各産業の国際競争力は一様ではないからである。


だから、いちばんいいのは、自由貿易で利益をこうむりつつも、この事実をけっしてみとめず、かくのごとくに外国を説得してしまうことである。


そのいちばん成功した例が、19世紀におけるイギリス帝国主義イデオロギーとしての自由貿易論であるが、その当時は、イギリス産業が世界最強であったから、自由貿易によって最大の利益を引き出しうるのは英国であったのである


このような情報操作が重要であることに関しては、現在も19世紀も同様である。


現在(1993年)日本の未曽有の大繁栄も、自由貿易という前提のもとにおいてのみ可能であり、自由貿易が否定されたならば、電源をとめられたテレビのオーケストラみたいに、一瞬で消えてしまうということを、どうしても実感できない


このことをきれいすっかりと忘れてしまって、日本の経済力は世界一だとか、今や日本の技術力は欧米先進国を追い抜いてしまったとか言ってうつつを抜かしているのは、まったく、真夏の夜の夢というか、槿花一朝の夢というか、醒めてしまえば、まことにはかないものである。


このような現状認識力において、日本人は戦前と少しも変わっていない。社会組織がどんなに変わろうとも、エトス(行動様式)においては同一なのだ。⇨ 小室直樹「アメリカの逆襲」光文社 1980年


ところがである。アメリカは決意変更して自由貿易を止めてしまえと本格的に論ずる労作が出現した。本書は、保護主義のバイブルになるであろう。杞憂が実現して天がくずれ落ちたような話ではないか

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