自由貿易について
余命一年から千年を考える「千年のうち」Toshikazu Sakurai より
自由貿易は、化石燃料依存経済の最終形態として、外部からの略奪物資をとめどなく都市にも農村にももたらす。
そして、すべてを不当競争にさらして、小規模生産者を圧倒・倒産させ、いわば「国ごと消費都市」にして、事実上屈服させ、間接的に化石エネルギーの奴隷にしてしまう。そのため、資源産出国でなければ、その国の人口を減らす効果がある。
簡単に言えば、グローバル自由経済は、略奪経済による生存基盤の破壊、生存権の侵害の完成にあたるであろうし、早晩、崩壊する。
自由貿易は基本的に生産手段をもち、それが国際的略奪品よりも価格と質で上回らないと生活できない体制である。
資源・労働力を略奪する相手と、金融によって未来価値を先取りする相手の二つに打ち勝ち、乗り越えないと、生産手段を奪われて、労働時間の切り売りで生活を縮小再生産するのがやっとの人口減少社会に転落するかもしれない。
自由貿易への参加は、あくまでも長期的国益にかなうかどうかが判断の唯一の基準であり、それ以外は、二の次でもよかろう。
そしてまた、現在の先進国は金融操作国で、資源・食料輸出国を間接支配できる。富める国は、二重に有利な立場から、そうでない国の富を収奪可能で、ためらいなく実行されている。
たとえばこんな国際環境の中で「日本は、どうせ旧敵国のステゴマで、歴史的にも文化的にも共通点のない、利用して切り捨ててもあとくされない、どうでもいい国だ」と見られたらどうなるであろうか・・・。2013.07.23