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大きくなり続けない経済

「成長に殺されるまで成長し、自分の葬儀代をさらなる成長として計上せよ」というルールからは卒業しなくてはならない。⇨ ハーマン・デイリー(経済学者)


サスナビチャンネル「ハーマン・デイリーの定常経済を考える」より 話し手:枝廣淳子・環境ジャーナリスト、聞き手:足立直樹・株式会社レスポンスアビリティ代表取締役


足立:定常経済とは、どういうものなのかというところから、ご説明いただけますか


枝廣:定常経済というのは、経済の規模が大きくなり続けない、経済の規模はずっと同じだけど、そのなかで今と同じように、新しい企業も生まれるし、廃れる企業もあるし、経済活動は活発なんだけど、規模自体が、たとえばGDPで測るような、どんどん大ききなるようなものではない、そういった経済のことなんですね


足立:私たちはどうしても、経済が成長するということを求めがちなわけですけど、環境の視点とか持続可能性の視点からすると、「経済が成長するからいけないんだ」とよく言われるわけなんですけど、ただ一方で、「経済成長しないでいいのか」という反論が必ずあって、それに対して、正直言って私たちもなかなか反論できなかったんですけど、定常経済というのは、成長しない経済とどういうふうに違うのでしょうか。あるいは同じなんでしょうか


枝廣:成長できない経済というのがありますね、成長しようと思うんだけど上手くいかない。それは、成長を前提としていて上手くいかないと、いろいろな悲劇が起こりますね。本当は成長するつもりだったのにできないとなると大変な状況になるわけですが、定常経済というのは、経済の規模を大きくすることを最初から考えていない


経済の規模というよりも、ハーマン・デイリーさんがいちばん言っているのは、スループットという言葉なんです。経済活動をするときは、地球から必ず何かを取り出しますよね、原材料だったり、エネルギーの素だったり、地球から取り出したもので経済活動を行って、いらなくなったものを元に戻すわけですよね。それは、廃棄物だったり二酸化炭素だったりするわけですが、取り出してから戻すまでの、この全体をスループットと言うんですね


経済活動をすればするほど、たくさんのものを取り出して、たくさんのものを捨てる、経済成長をするためには、たくさんのものを、作って買って捨てる、ということになってしまう。そうすると、地球の大きさは変わらないのに、そのうえで経済の規模が大きくなり続けるというのはあり得ないと。


つまり、スループット、地球から取り出して地球に戻すものは、地球が持続可能なある限度、つまり、地球が大きくならないのなら限度があるわけで、その範囲内で押さえておかないと、地球自体が持続可能ではないでしょうと。そういう意味で、持続可能性の観点でいうと、どこまでも大きくなり続ける経済というのは、有限の地球の上ではあり得ないということなんです


一方で、経済成長が絶対必要だという意見もあります。それは、二つの意味があって、一つはたとえば、今の途上国とか、日本の戦後のように貧しいときには、やはり経済成長して、ある程度の生活レベルにもっていく必要がある。なので、定常経済の話を途上国でする場合、「途上国はあるところまでは、経済成長する必要がある」と必ず添えて言うようにしているんです。


一方で日本やアメリカのように、かなり豊かになっているところが、もっともっと成長する必要があるんだろうかということなんですね。定常経済が必要だと言ったときに、すべてではないけれども必要でないところもある、経済成長がもう必要でないところは定常経済がいいんじゃないですかと。


もう一つの点は、さわさりながら、今の日本にしても、いきなり定常経済は無理ですという話があります。今の日本の経済の仕組みが、成長をし続ける経済を前提に造られているからなんですね。なので、たとえば今経済成長ゼロになったら、社会保障どうするんだとか、日本の赤字どうするんだとか。でもそれは、これからも成長するという前提で、赤字国債出してきたからですよね。


そのように経済成長を織り込んでしまっているので、いきなり定常経済に行くのは難しい、その両方の意見があるんですよね。それは手当てをしながら考えていく必要があると思います。

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日本に欠乏しているものは何か。それは富ではない。知識ではない。才知ある計略でもない。愛国心でもない。道徳でもないだろう。欠けているのは「生きた確信」である。真理そのものを愛する「情熱」である。この確信、この情熱からくる無限の歓喜と満足である。
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何のためにあなたたちは、生きているのですか。国のためですか、家のためですか。親のためですか、夫のためですか、子のためですか。自己のためですか、愛するもののためですか。愛するものを、持っておいでですか。
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