愛のスペクトル
ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ」春秋社 より
■タイプ2の人物像
健全な状態:利己心がなく、公平無私で、他人のことを第一に考え、他人に無条件の愛を注ぐ、感情移入しやすく、同情心が厚く、気を配り、心が温かく、相手を気遣う、人を勇気づけ、寛大で、気前がいい:他人を助ける愛情深い人物。
通常の状態:感情をはっきり表に出し、ものの言い方が大げさ で、愛想がよく、あらゆることに関して善意に溢れている。やたらに人と親しくなり、相手を包み込み、なんでも自分のものにしておきたがる。
・他人にいくら尽くしても満足するということがない、自己犠牲的で母親のような人物である。
・うぬぼれが強く、自分をかけがえのない人間であると思っているが、他人にしてやったり自分の努力を過大評価する。横柄で、恩着せがましい。
不健全な状態:人を操り、自分の有利を図り、他人に罪の意識を植え付け、恩を着せる。自分の動機と行動に対して自己を欺く。暴威を振るい、高圧的である。
・自分が欲することを、他人にしてもらう権利があると感じる。
・犠牲的で「殉教者」になる。
・自分がひどい目にあっていると感じ、ひどく憤慨し、腹を立て、最後には、心気症や心身症の問題に終わる。
主要な動機づけ:愛されたがり、他人に対する感情を表したがり、他人に必要とされて感謝されたがり、他人が自分に応えることを強要したがり、自分自身についての自分の主張の正しさを立証したがる。
タイプ2の人物例:マザー・テレサ、マハトマ・ガンジー、エレノア・ルーズヴェルト(アメリカ合衆国第32代大統領フランクリン・ルーズベルトの妻)、レオ・ブスカリア(教育学者『葉っぱのフレディ』の著者)、ビル・コスビー(コメディアン、テレビプロデューサー)、ルチアーノ・パヴァロッティ(オペラ歌手)、サミー・デービス・ジュニア(エンターテイナー)、フレッド・ロジャース(「ミスター・ロジャースのご近所さんになろう」で活躍した聖職者であり、人形術師、脚本家、プロデューサー)
■健全な段階vs不健全な段階
「危険なのは、あの男の子の方でしょ。」我々は精神に及ぼす力について研究している。ああいう力は予想もしていなかった。8958なら我々の基準に合わせられるが、少女は違う。「女の子に合うように基準を変えればいいわ。」それは無理だ。少年には適応する要素がある。自己愛の強い人間ほど破壊行為を好むものだ。人を支配したがり、それができる。8958はそういう幻想をもっている。その点、2121には問題が多い。欲がない、自己愛もなく、度が過ぎるほど善良だ。おそらく我々の思い通りにはならない。これ以上研究しても無駄だ。必要のない存在だ。

