他人に対する強い感情
ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ」春秋社 より
タイプ2(外向的感情型)は、他人に対して強い感情を抱いているが、自分自身の感情に関わる潜在的な問題をもっている。相手に対していかに肯定的な感情を抱いているかということを大げさに表現する一方で、否定的な感情にはまったく目をつぶる傾向がある。
彼らは、自分自身を愛情深く、人の面倒をみる人間であると見ているが、彼らが他人を愛するのは、ほとんどすべての場合、ただ単にお返しとして相手にも自分を愛させるためである。彼らの愛は無償ではない。お返しの期待がくっついている。
しかし、健全なタイプ2は全性格のタイプの中で最も思いやりがあり、誠実に人を愛する人々である。彼らは強い感情の持ち主であり、親身になって他人を気遣うので、わざわざ他人を助けてやり、本当にいいことをし、本当の必要に応える。
しかし、不健全になると、タイプ2は自分自身に攻撃的感情があるということと、その感情の及ぶ広がりについて思い違いをし、自分がどれほど人を操り、放漫になり得るかということを認めない。
不健全なタイプ2は、完全に無私無欲であるといいながら、実は極めて利己的なので、すべての性格のタイプの中で最も油断がならない人々である。彼らは、他人に対して酷い仕打ちをしておきながら、自分は完璧なほど善良であると信じている。
問題の核心は、通常のタイプ2でさえも、様々な動機と、矛盾した感情と、自分として満たしたい個人的必要をもつ人間としての、ありのままの姿として自分自身を見ることができないという点である。
逆に、だんだん自己欺瞞的になるにつれ、自分を最も好意的に見て、否定的性質は無視する。タイプ2を理解するうえで難しいのは、彼らが自分の欲しいものを手に入れようと没頭する際の人を操るやり方である。タイプ2が堕落すればするほど、彼らに対する私たちの認識を、「自分は極めて高潔な人間である」という彼ら自身の認識と調和させることがより難しくなっていく。
彼らは常に自分自身を免罪し、私たちにも同じことをするように要求する。