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黒田総裁の次は誰もやりたくない


2020年8月10日 エコノミストOnline「黒田総裁の次は誰もやりたくない」ジャーナリスト・大学教授・元日銀幹部による覆面座談会  より(抜粋)


── 安倍晋三首相の自民党総裁としての任期は残り1年余り。「ポスト安倍」を巡る動きが活発化してきた。首相が辞めると、日銀の黒田東彦総裁も辞めるか?

■ジャーナリストA 辞めるのではないか。黒田総裁は2018年4月に再任したが、2期目はそもそもやりたくなかったはず。政治側がサポートしてくれる、という前提でやってきたから、その前提が崩れれば途中退任はあり得る。

■元日銀幹部A 誰が次の首相になるか次第だが基本的には、黒田総裁は23年4月までの任期を全うするだろう。首相交代で辞めたらさすがに「中央銀行の独立性」の体裁を保てなくなる

■ジャーナリストB 続投以外、考えにくい。もし黒田総裁も交代となると、2%物価目標の旗を降ろして大規模緩和の修正が始まるという思惑が市場に働き、円高が急激に進むからだ。そもそも日銀総裁は、内閣が衆参両院の同意を得て任命するが、交代なら後任候補探しも含めてものすごい準備が必要。コロナ対応に追われている今の状況下で、その作業は極めて困難。よほどの理由がない限り、途中退任はできない。


── 「ポスト黒田」は。

■元日銀幹部B 「ポスト黒田」を予想するのは難しいが、確かなのは黒田さんの後は誰もやりたがらない、ということ。知る限り、みんな逃げている国債や社債などを散々買った後で、今度は「売る」という難題に直面する。恐らく「ポスト黒田」は歴代総裁の中でも最も損な役回りではないか。


── ポスト安倍時代、金融政策は変わる?

■市場関係者 首相が代わっただけで、これまでの金融政策をひっくり返すのは難しい。上場投資信託(ETF)の買い入れをやめたら、株価は急落するだろう。誰が首相になっても、株価暴落や金利急騰は政治的にもリスク。正常化に向けた力が少しずつ働くとしても、ソフトランディングを狙い、金融政策の大幅な変更は当面難しいと思う。


── アベノミクスが看板に掲げた2%の物価目標は、達成から遠ざかる一方だが。

■ジャーナリストB コロナが来て、黒田さんは内心、「助かった」と思っているのではないか。というのもコロナ前、世界の中央銀行が政策見直しに動き始めていた。スウェーデン中央銀行は、2%物価目標に届いていないのにマイナス金利を「副作用が大きい」と解除。欧州中央銀行(ECB)も金融政策の検証を20年中に行う方針を示し、日銀も2%物価目標の見直しの議論をやらざるを得なくなる可能性が出ていた。もし「1・5%」や「1%」などと言及したら、円高が一気に進む。円高が進めば、もうやれることはないマイナス金利を深掘りしたら、銀行は破綻する完全に手詰まりだった。


そこにコロナが来て、従来の2%物価目標はひとまず棚上げし、物価が当面上がらなくても「コロナのせい」にできるようになった。絶好の「言い訳」ができた。コロナ前よりも、今の方が黒田さんにとっては楽だろう

── 政治との距離は変質したか。

■大学教授 白川方明・前総裁のときの日銀は、白川さん自身がエコノミストだったように、経済理論や政策分析にたけた人が重用された。それが黒田体制になってから、政治を重視する方向に変わった。今の日銀のエコノミストは、日銀の政策を批判するようなことを書けない。だから、調査リポートがつまらなくなった。米連銀の調査リポートは批判的なことも書くから面白いのと対照的だ。

■ジャーナリストB かつて「公家集団」と揶揄(やゆ)され、複雑な金融政策に精通していればよかった頃からは様変わりした。今の黒田日銀は、政府に完全に従属している状態。雨宮さんは、政治は民主党政権から安倍政権、日銀総裁は白川体制から全くベクトルの異なる黒田体制下に代わっても、理論的な支柱であり続けた。現場の職員には「なぜこんなにコロコロ変われるんだ」と冷ややかな目で見る人もいる。ただ、そうした政策理論も政治回りも両方できる人がいなかったら、「黒田バズーカ」はどうなっていたかとも思う。

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