「統合か分裂か」の連続体
段階1で一そのタイプの最も健全な段階で、心理的な均衡状態にあり、自由で、特別な霊的能力と長所が生まれる。〈統合の方向〉へ向かおうとするタイプにとって理想的な状態。
段階2で一そのタイプはまだ健全であるが、自我とその防衛が幼児期からの根元的な不安に反応して現れ始める。両親との関係の結果として最も深い恐れと欲求が現れる。自己感覚と全体としての認識形式が姿を現す。
段階3で一まだ健全であるが、だんだんそうではなくなってくる。自我がさらに活発になり、特有のペルソナを生み出す。そのタイプが人々や社会にもたらす健全な社会的な特徴が現れる。
段階4で一そのタイプは、精神的活力の源はそれぞれのタイプによって異なっているが、その特有の源に近づくことによって微妙に不均衡になり始めている。それぞれのタイプのまだ気づかない精神的行き詰まりが現れ、もしそれが続けば、精神内部と対人関係での葛藤をどんどん生み出す。
段階5で一そのタイプがそれ特有の方法で環境を支配しようとするにつれ、自我が膨張する。防衛機制がますます深刻になる。そのタイプの堕落におけるはっきりとした転換点である一特性は目にみえてより不健全で、より否定的である。他の人々との葛藤が増える。
段階6で一その人は、葛藤とますます大きくなる不安を過補償し始める。自己中心性の特有の形が現れる。手前勝手のさまざまな形が行動として現れるにつれ、他者との葛藤は避けられない。
段階7で一その人は、ますます大きくなる不安に襲われる自我を支えるための必死の試みの中で、それぞれ独自の不健全な生き残り戦術をとる。今や対人関係の衝突は深刻である。
段階8で一深刻な精神内部の葛藤と、その結果としての妄想的な防衛が用いられる。現実と不安に屈服するよりも、現実をつくり変えようとする。神経症の状態一それぞれのタイプによって異なるなんらかの方法で、現実との接触を失っていく人物。
段階9で一完全な神経症の状態。現実との接点をもたず、幻想を守るため、そして、自分のしてしまったことをはっきりと理解する不安に自己を会わせないようにするために、自分自身を、そして他の人々を進んで破壊しようとする。直接的、もしくは間接的な自己破壊のさまざまな形が現れ、その結果、深刻な暴力、神経衰弱、または、死に至る。
ドン・リチャード・リソ著「性格のタイプ」春秋社