fc2ブログ

自由という重荷

自由からの逃走


経済的機構と精神とは、中世末期のイタリア文化のうちにではなく、中部および西部ヨーロッパの経済的社会的情況のうちに、また、ルッターやカルヴァンの教義のうちにみいだされる


この二つの文化はおもに次の点でちがっている。ルネッサンスの時代には、商業資本主義と産業資本主義が比較的高度に発達していた。ルネッサンスは、富裕な強力な少数者が支配する社会であった。そしてかれらが、この時代の精神の表現者としての哲学者や芸術家を生みだす社会的基盤となっていた。


他方宗教改革は、本質的に都市の中産および下層階級と農民の宗教であった。ドイツにも、フッガーのような富裕な商人はいたけれども、新しい宗教の教義が訴えたのは、かれらにたいしてではかつた。


また近代資本主義の発達が、生まれでるおもな源泉も、かれらではなかった。 マックスウエーバーが示したように、西欧における近代資本主義の発達の主軸となったのは、都市の中産階級であつた


二つの運動の社会的背景がまったくことなっていたことからして、われわれはルネッサンスの精神と宗教改革の精神とはことなったものと考えなければならない。ルッターやカルヴァンの神学を検討すれば、その内容によっていくつかの差異が明らかになるであろう。


個人的な桎梏から解放されたことが、都市の中産階級の性格構造にどのような影響をあたえたかという問題に、われわれは注意を集中しよう。すなわち、プロテスタンティズムやカルヴィニズムが、 一方に新しい自由の感情を表現しながらも、同時に自由の重荷からの逃避となった事情を明らかにしよう


われわれはまず最初に、十六世紀初頭におけるョーロッパ、とくに中部ヨーロッパにおける経済的社会的状態を検討し、つぎにこの状態が当時のひとびとのパースナリティにどのような影響を及ぼしたか、ルッターやカルヴァンの教えが、これらの心理的要素にどのような関係をもっていたか、またこれらの新しい宗教の教義が資本主義の精神とどのような関係をもっていたか、ということを分析するであろう


中世的社会では、都市の経済的組織は比較的安定していた。中世も後期以来、職人はそのギルドに結ばれていた。親方はいずれも一人二人の徒弟をもち、親方の数は社会の必要に対応していた。もちろん生活の糧をかせぐために、必死に努力しなければならない人間も常にいたけれども、 一般にギルドの成員は自分の手仕事で十分に生活していくことができた

記事分類
新薬販促のため多額の金銭をバラまき
原子力発電所の仕組み M.V.ラマナとサジャン・サイニ
小出裕章「原発の終わらせ方~福島原発事故から10年のいま~」
ウクライナ・オン・ファイヤー
ジョン・ミアシャイマー「ウクライナ戦争を起こした責任はアメリカにある!」
健全な精神の小さな火花を燃やせ!
藤原直哉/4月:時局分析
藤原直哉/5月:時局分析
*
*
ランキングに参加しています
FC2ブログランキング
INポイントランキング
リンク
プロフィール

佐藤蓼丸

Author:佐藤蓼丸

内村鑑三の箴言
キルケゴールの箴言
芥川龍之介「蜘蛛の糸」朗読
クソどうでも良い仕事" は誰のため?
故赤木俊夫氏の主治医インタビュー
「悪の凡庸さ」ウィシュマさん死の映像
悪の本質は「受動性」
なぜ少なからぬ政治家はカルトに親和的なのか
能力の低い人ほど自己評価が高い/ダニング=クルーガー効果
能力の高い人ほど自己評価が低い/インポスター効果
【真理省】が捏造するプロパガンダ「オーウェル的な」
暴君のいない暴政「カフカエスク」
ナルシシズムという病
加藤諦三「ナルシシズムと攻撃性」
ケン・ロビンソン: 「教育の死の谷を脱するには」
陰(イン)陽(ヤン)の隠された意味 - ジョン・ベラミー
トゥルシー・ギャバード:大統領選スピーチ
エマ・ワトソン親善大使 国連でのスピーチ
マララ・ユサフザイ 国連本部でのスピーチ
グレタ・トゥーンベリ COP25でのスピーチ
「ミソジニー」ってよく聞くけど、どういう意味ですか?
予備校のノリで学ぶ「エントロピー」
諸行無常と諸法無我
藤原直哉「老齢先進国はどこへ行く」
藤原直哉「世界のタガが外れつつある」
藤原直哉「錯乱から沈黙に」
藤原直哉「トランプがSNSに戻ってきた」
金利上げるの?上げないの?【デモクラシータイムス】
2008年金融危機からの禁じ手による反則負け