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共和国のサラリーマン

現代ビジネス:2019年2月8日/普通のサラリーマンをユダヤ人虐殺に突き進ませた「組織悪」の正体 より

 

ワイマール共和国の建国から今年で100年。前回の記事では、先進的な民主憲法を制定し、百花繚乱のワイマール文化が興隆した共和国が、わずか14年でナチスの台頭を許す過程を素描した。今回は、ワイマール共和国のサラリーマンに着目して、現代にも通じる組織の病理を考える。⇨ 根本正一(ジャーナリスト)

 

ワイマール共和国のサラリーマン

当時のドイツのサラリーマン数は350万人(うち女性が120万人)。主な職業は商業を中心に、工場や銀行、運輸部門などで働く事務員や技術者などである。労働者総数が2倍に伸びようとする間に、サラリーマン数は実に5倍も伸びた

 

フランクフルト新聞の記者だったジークフリート・クラカウアーは、ルポルタージュ『サラリーマン』(1930年)で、ワイマール時代のサラリーマンたちを以下のように描写した。

 

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「頭脳労働がしたい」「綺麗な仕事がしたい」。学校を出たての青年男女たちはアンケートにこう答えている。20世紀初頭、サラリーマンが憧れの職業となり、経営者は学歴を求め、資格証明書を追いかける。親も子供を少しでも社会の上層に押し上げようと、教育投資を惜しまない。経営者側は、科学の装いを凝らした適性検査をあてがう。「労働には喜びがある!」と。

 

しかし近代的企業の合理化された社会では、もはや個性を発揮できるような仕事はほとんどなく、体制の好む画一的なサラリーマン像だけが形づくられている。直属上司の課長補佐からパワハラを受けた挙げ句、解雇された事務系サラリーマンが労働裁判所へ訴え出たが、その企業の幹部は原告も課長補佐も知らず、「なぜ、直接言ってくれなかったのか」と驚きを隠さない――。

 

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組織のヒエラルキーのもとでは、トップと末端との意思疎通はほとんど存在しない。経営陣は静かな重役室にいて、経済合理的な決定を下す。中間管理職とて経営トップに接するのは稀で、組織はトップの意思を離れて独自の運動をする。

 

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「家具と毛皮のコートを売り払い、生活をしのいでいる」「全ての人間に信頼が持てない。妻とは離婚。自殺の思いにも駆られる」――。中年失業者へのアンケート回答の一部だ。仕事の合理化が進めば、中高年労働力が排除される。給料は高くせねばならない反面、新しい技術についていけない


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