人当たりのよい破壊者
ドン・リチャード・リソ「性格のタイプ」春秋社より
人々がタイプ3の心像に引き付けられる理由は、彼らの外面上の完璧さである。練習された見せかけではあるが、他人に対し非常にいい印象を与える「冷静で落ち着いた、いい奴」という特徴である。彼らは、極めて洗練されて人当たりがよく、自分の役割を完ぺきにこなす。
しかし、彼らをよく観察すれば、洗練された外見の下には、本物の感情も、確固たる意見も、個性も情熱もないということが分かるだろう。彼らは何もかも完璧だが、様々な心像を足し合わせても、一個の人格にはならない。
欠けているのは、個人としての約束と義務の観念である。通常のタイプ3は自分の自己と自分の感情との繋がりが断たれている。彼らは、期待通りに正確に動き、その結果として常に需要のある、完璧に設計された機械のようなものである。
当然のようにこの生き方には無理がある。通常のタイプ3は、自分の内面の空虚さと、計算高さを見抜かれることを恐れ、真の親密さを避ける。しかし、その少なからぬ魅力と順応性を発揮して、親密さの印象をつくり出し、自分自身をその実際以上に見せる方法は知っている。そのため彼らは、信憑性に対し神経質になり、自分がつくるイメージを人々が信じているかを、必要以上に気にするようになる。
他方、これには利点もある。無情であることは、タイプ3に仕事を極めて効率的にこなし、目標達成のためのエネルギーを集中できるようにさせる。彼らは感情に動かされないので、物や人に縛られるということがない。彼らの功利主義が信条とか感情に制約されることなく、状況に適応させてくれるので、実際的な問題解決が得意である。
シドニー・ポラック監督「コンドル」1975年 より、暗殺者との会話
<理由には興味がない。いつ?どこ?いくら?だけだ。ハッキリ言って、私の仕事は悪くないよ。雇い主には困らない、楽だし、平和な生活だよ。どっち側も信じなくていい、主義もない。あるのは自分だけ、それと仕事の正確さだ>