「草食系」対「肉食系」

<C・G・ユング著「タイプ論」みすず書房より>

主体と客体の関係は生物学的に見て「適応」の関係である。自然界には生物が適応し、それによって生き続けるための二つの方法がある。一つは

⇒ 個々の防衛力が劣ることや、寿命が短いことの代わりに繁殖力を大きくするというものであり、もう一つは

➡ 繁殖力が弱い代わりに自己保存のための手段を個体に持たせるというものである。

 

この生物学的対立は、われわれの二つの心理的適応様式に似ているというだけでなく、その普遍的な基盤でもあると考えられる。すなわち

➡ 外向型はつねに自分の力を使い果たし、あらゆることに首を突っ込む特性(貪り食うタイプ)を持ち、

⇒ 内向型は外界の要求に対して防衛線を張り、客体と直接関係のあるエネルギー支出を可能な限り抑え、安全で強力な陣地を築こうとする傾向(多産タイプ)を持っている。

 

二つの道はどちらとも有効であり、「心理的構え」においても同様である。すなわち一方は、

➡ たくさんの関係を結びつけることにより成し遂げ、他方は

⇒ 独占することによって獲得するのである。

 

時にはごく幼い子供でさえタイプの違いがはっきり認められるのを見ると、心理的構えを決定する要因は子どもの素質(生物学的な機能)にあるのではないだろうかと考えられる。もちろんこれは正常な条件のもとにある場合だけである。異常な条件のもとにある場合、すなわち母親の心理が極端で異常である場合には、その子供たちが本来獲得するであろうタイプに代わって、強制的に母親のタイプをとらされることもある。このようにタイプが偽装されている場合には、その人は後に神経症になることが多く、その治療は、彼の自然にあったタイプを引きだすことによって可能になる

 

個人の固有の資質に関しては、明らかにどのタイプにも適応できる、大きな融通性を持つ人々がいる一方で、一つのタイプだけに適応し、他のタイプには適応しないほうがうまくいく人々がいる

 

ユングは自らの臨床経験から、

タイプが逆転していれば、その人は精神的に消耗し疲れ切ってしまうので、生理的機能が著しく損なわれる危険がある」。と警告する

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